元ギルド専属魔法杖職人、役立たずとギルドを追放されたけど、ちょっとした発想で最強の魔法杖ができちゃいました。~もちろん特許取得済みです。今更欲しいって?絶対にあなたたちには売りません~

katonobo

序章 魔法杖職人、ギルドを追放される

「ヒイラギ、お前はクビだ」


 唐突に告げられたその言葉で、俺――ヒイラギは、長年尽くしたギルドから追放された。


「……一応、理由を聞いてもいいか?」


 俺は、湧き上がる諦めムードを隠そうともせず、ギルドの職員に聞いた。


「自分でもわかってるだろう? お前の作る魔法杖は、はっきり言ってゴミだ。全く売れない」


 ぐうの音も出ない。

 俺は、このギルド専属の魔法杖職人として働いていた。魔法使いたちのための杖を作る、名誉ある仕事だ。

 だが、俺の杖はすこぶる評判が悪かった。


「それは、そうだが……」

「『バランスが悪い』とか『魔力が馴染まない』とか、散々な言われようだ」


 俺は、理論上最高の魔法杖を作っている自負があった。自信作だった。

 だが、現実として評判は最悪。それが答えだった。


「うちも評判が悪い人間をおいておくわけにはいかない。さっさと荷物をまとめて出てってくれ」


 周囲には、俺を見てニヤニヤと笑う冒険者たち。


「あばよ、ヒイラギ! ジジイみたいに体を支える杖でもいるか? 『杖職人』なんだからよぉ! ギャハハ!」


 背中に突き刺さる嘲笑。こうして俺は、屈辱を噛み締めてギルドを後にした。


 ……さて、どうするか?

 俺は、この辺境の町から出たことはなかった。だが、もうここには思い残すことはない。


「行こう。王都へ」


 新天地を目指すなら、デカい場所がいい。

 こうして俺は、王都を目指して歩き出した。


 ……その道中、ひょんなことから俺の作った杖で魔法を撃った魔法使いが、上半身が消し飛んだ魔物を前に、俺と一緒にあんぐりと口を開けて驚愕することになる。


 この時の俺はまだ、自分の杖に秘められた『とんでもない可能性』に気づいていなかった。

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