そして彼女の手の行き先は
うびぞお
彼女の手は本当に綺麗
おおよそ真面目な女子大生であるカヌキさんこと
そんな二人のなり初めなどは、さておいて。
__________
「……っ」
夕食の後片付けをしようとして、重ねた食器を右手に持ったカヌキさんだったが、突然左手で右肘を押さえて、食器をテーブルの上に戻した。ガシャっと音を立てて、綺麗に積み重ねられていた食器がテーブルの上で揺れて、戻った。
「どうしたの?」
それに気付いたミヤコダさんが慌てて、声を掛ける。
「んんん、大丈夫です。ちょっと肘がつーんってなっただけです」
この二人がお付き合いを始めたばかりの頃、カヌキさんが当時住んでいたアパートの階段から落ちて、右肘の骨を折ってしまうという事件が起きた。ミヤコダさんは、それはそれは甲斐甲斐しく、しばらく腕が不自由になったカヌキさんを助けてあげたのだった(本編をお読みくださいね)。
「え、やだ、後遺症みたいな? 大丈夫かな、お医者さん行く?」
「大丈夫ですよ。なんか季節の変わり目とか気圧の変化とかがあると、たまにそうなるんです。まぁ、大したことないですし」
カヌキさんが苦笑いして、もう一度、食器に手を伸ばすと、ミヤコダさんがその手を制して、代わりにカヌキさんの食器を手に取り、シンクに運んで、そのまま洗い物を始めた。
「今日は、わたしが片付けるから、深弥は休んでて」
「え、今日は私の順番ですし、もう痛くないです」
「いいから」
ミヤコダさんは、結構、過保護である。
ざっと洗い物をしてから、ミヤコダさんは、お茶を淹れる。
急須と湯呑みを棚から出して、お茶っ葉の量を測って急須の中に落とす。
そんな一連の仕草をカヌキさんはじっと見つめていた。
お茶を飲もうとして、ミヤコダさんがテーブルに戻って、湯呑みが熱くなってないかを確かめるように触れてから、両手を使って湯呑みを持って唇に運んでいく。
「どうしたの? 深弥も飲んで。いい感じにお茶入ったからさ」
そう言われて、カヌキさんは少し驚いた顔をした。
「あ、はい」
「何よ、どうしたの? ぼうっとしちゃって」
「あはは、見惚れてました」
「ああ、わたしって綺麗だものね」
ミヤコダさん流のジョーク。
「ええ、綺麗です」
「うえ」
ジョークのつもりに真面目に返されて焦ってしまうミヤコダさんだった。
「あなたの手って、本当に綺麗です」
「……え?手」
そこは顔じゃないの? って思うほどにはミヤコダさんは顔なら褒められ慣れていたりする。
「指の長さ、太さ、骨の感じ、爪の形。そういう手の外見上の見た目も綺麗なんですけど、動きが、滑らかで上品っていうか、すごいですよね、架乃って」
カヌキさんにそんな風にうっとりした顔で真面目に言われて照れてしまうミヤコダさんだった。
だからと言って、変な照れ隠しをしてはいけない。
殊に、このカヌキさんこと、香貫深弥に対して。
「あ、ありがと。わたしの手って、そんなに綺麗かなぁ」
うんうん、と頷くカヌキさん。見た目重視なら爪はもう少し伸ばした方がいいんだけど実用優先だから、という言葉を飲み込んだミヤコダさんは、代わりにポロリと余計なことを言ってしまったのだ。
「『手』の映画って……」
ぴこーん
カヌキさんの脳内映画検索が始まる。
「正統派の怖いホラー映画!」
「ホラーじゃないけど痛くて残酷な映画」
「全然ホラーじゃないけど感動する映画」
「どれにしますか? 3本とも観ますか?」
爛々としているカヌキさんの目を見て、やらかしたことに気付いたミヤコダさんだった。
「いや、時間も遅いから、えと、……1本だけ」
「そーですか、どれにしますか?」
あああ、わたしって……ばかっ
さて、ミヤコダさん、どの映画を選んだのでしょうか?
どうぞ、ミヤコダさんの代わりにあなたがお好きな続きを選んで下さい。
A「正統派の怖いホラー映画!」を選ぶ場合は次の話へ
B『ホラーじゃないけど痛くて残酷な映画』、C『全然ホラーじゃないけど感動する映画』を選ぶ場合は、次にに進まず、目次に戻るか以下ののURLに飛ぶかして下さい。
ご面倒ですがお願いします。
B「ホラーじゃないけど痛くて残酷な映画」
https://kakuyomu.jp/works/822139843509623721/episodes/822139843515183899
C「全然ホラーじゃないけど感動する映画」
https://kakuyomu.jp/works/822139843509623721/episodes/822139843515373219
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