王手、神の手、闇の左手

⛄三杉 令

第1話 王手

 将棋が好きでした。下手の横好きです。


 高校の寮。「ザベテン」や「MTV」を見たりヘヴィメタを大音量で聞かされたり、先輩にラーメンを作らされたりと懐かしい思い出も多いですが、同室の子と毎晩のように将棋を2、3時間やっていたことを思い出します。粘りが持ち味のスーパーテニスプレーヤーでもある彼は、いつも長考します。私は短気なので、いらついてすぐに次の手を打ってだいたい負けます。

 そういや彼は佐藤愛子(現在102歳)の小説とか読んでたなー。余談です。


 私は負けず嫌いなので、次の日も挑戦します。また負けます。……みなさん、将棋と人生はじっくり考えて次の手を打ちましょう。短気は損気です。


 ある時、寮で将棋大会がありました。私はなんと決勝まで進みました。同室の彼はテニスの大会か何かでいませんでしたからね。ラッキーでした。


 しかし、決勝の相手は手強かったです。終盤、接戦になりました。


 相手が私の玉に王手をかけてきました。いつもは早打ちの私も流石にこれは優勝賞品「かりんとう」を賭けた大会、珍しく長考に入りました。守りと攻めのバランスを考え、考え、考え……考え抜いて、ついにすごい一手を考え付きました。詰み筋が読めたのです!


「王手っ」どうだ! この先何手かで詰みだろ!


 さて、わかりますでしょうか? 先に王手をかけられているのに、私はそれを忘れて攻撃してしまったのです。相手はあっさり、情け容赦なく私の玉を取りました。


「ああーっ!!」


 私は頭を抱え、周りで見ていた寮生たちから「アホやなー」と大爆笑が起きました。


 ……はい。後ほど政治・外交の話が出てきますが、よく考えずに攻める事ばかり考えていると墓穴を掘りますからね。落ち着いて考えましょう(笑)


 それにしてもドジだ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る