なんかヤバいグリム童話 ちょいグロい話

辺国 六郎

子供たちが屠殺遊びをした話 1/2

 オランダにあるところの西部フリースランドのフラネッケルという小さい都市。

 年端のいかない子供たちがいた。

 年齢はまぁ、5歳とか6歳くらいじゃない? それくらいの子供がわーきゃー言って遊んでいた。


「なんかつまらんくなってきた」

 ふと誰かが言った。


 子供たちの関係は合議制民主主義だったものだから、それぞれがそれぞれの役割を互いの合意の上で決めることにした。つまり多数決をとった。


 まず1人の男の子は力が強く体格も良かった。

 誰かがいった。

「豚とか牛を潰す屠殺人がいいんじゃない?」

「いえてる」

 とのことで任命、男の子はこれをははぁと仰せつかった。


 もう1人は手先とか器用だった。ガンプラとかミスらず作っていた。この子は鍵っ子でいつも1人で飯を作って食べていた。

 誰かが言った。

「料理番どう? できる?」

 鍵っ子ははーいと聞き分けよく受け入れた。


 もう1人男の子がいたのだが、こいつ。

 こいつはいっつもぼーっとしているので豚と呼ばれていたかは不明だが、とにかく何も任せられない。

 そんな子供だった。

 だから採決を取る前からみんなが言った。


「お前は豚だよ」

 何もできない子供は「ぶぅ」とか言って不承不承、これを受け入れた。


 それからあと女の子が2人いた。

 のだが、別にやりたい仕事もなさそうだった。


 役を振られるのを目をパチクリして待っている。

 まぁこれ良くないんだが、女ということにヒントを得て、提案した。


「お母さんみたいな仕事でどう?」

「いいと思います」

 と、この女の子もお料理番ということになった。


 あともう1人の女の子はちょっと年も下で最年少だし、オツムもそんなに良くなかった。

 昨日も靴べらを靴の後ろに差して歩いていた。


 誰がいった。

「お料理番の下働きでいいんじゃね?」


 下働きというのは、皿洗いとか雑用とかが仕事なわけだが、特有の大役があった。

 それは腸詰、まぁソーセージを作る時は下ごしらえとして、血を保存する。

 んだけども、その血は潰した豚から採取しないといけなかった。


 で、ぴゅーと飛び出る血を、皿なり壺なりなんでも良いので受け入れて保存しないといけないのだが、当時はオートメーションの機械屠殺システムとかなかったので、保存するのも人がやっていた。


 汚いから下働きにさせようか、と世間的にもコンセンサスが取れていたし、子供たちもそんな大人たちの背中を見ていた。


 なので、靴べら少女も「下働きで血を取って」と言われると、難色なく受け入れた。


「役割も決まったし、はじめっか」

 ということでさっそく豚潰し役が、豚役の男の子に掴み掛かった。


「ぶひひっ」

 あまり急なことに本当に豚みたいな声で鳴いた豚役少年は、力の強い潰し役に負けてねじ倒された。

「じゃあいきまーす!」


 あららという間に、潰し役が持っていた小刀が、さっ、と豚役の少年の首を走った。

 血がピャーッアっと吹き出した。

 下働き役靴べら少女は、おっと勿体無いとランチ用弁当箱をかざし、この血を受けた。


 血の噴水である。

 この悪い意味で凄まじい光景に、子供たちは熱狂、叫び声をあげて走り回ったりしているか、と思われた。

 が、子供たちは普通の遊びみたいな感じだった。熱狂しているのなら、ヤバさがわかってんだな、という感じだが、こんなふうにしている。


 血を吐く子供を囲んで、

「面白いね」

「はい、面白いです」

 と、楽しんでいた。

 はっきり言ってドン引きである。


「ちゃんと血が飛んでいくようにしろ!」

 下働き靴べら少女はノリに乗って指示を出した。

 潰し役は豚役の背中を踏み、髪の毛を持って支えた。


「あ、そうそうそう。そんな感じ」

 と、下働き役がやりやすいように補助までして、子供たちはみんなで、この屠殺ごっこにフルコミットしていた。


 異様も異様なこの光景を、ちょうど偶然にして偶然にも通りがかった市議会議員が目撃、いやちょっとこれはグロすぎるということで一旦嘔吐、気を取り直した。


 なんとか止めねば、使命感に駆られた。

 が、相手はナイフを持って、血を浴び弁当箱に収集なぞしている子供のシリアルキラー集団である。


「南無三」

 市議会議員は、命を捨てる覚悟で公園に登場、固く握りしめた拳で子供たちの頭をぶん殴った。


 子供たちは泣いて泣いてしかたがなかった。

「なにしたのかわかってんの?」

「なにしたのかわかってません」

 と、全く話にならない。


 豚役の子供は明らかにもう死んでいた。白目を剥いているが、痙攣すらもしていない。市議会議員はとりあえず、目だけは閉じさせてあげた。


 この地獄のような光景の始末は、後から来る人に任せることにし、市議会議員はひとまず豚潰し少年の耳をひっ掴んだ。


「なにすんだよー!」

「おまえは市長の家にいくんだよ!」

 と、市長の家に連れ込んだ。

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