原稿の中で待っている相棒
@fmfcjp
原稿の中で待っている相棒
夕方。
コンビニからの帰り道。
犬を連れた主婦や学生と住宅街ですれ違う。
少し先には、ギャン吠えする犬。
それをなだめる犬友が、世間話に興じている。
オレはもう、犬友とも疎遠だ。
外に出たのは、筆が止まったからだ。
そういうときは、考えるのをやめて、外に出る。
欲しいものがあるわけでもない。
それでもただ、コンビニへ行く。
そして、どうでも良いものを適当に買う。
今日は、のど飴を買ってきた。
帰ったら、口の中で転がそう。
通り抜ける公園に入ったところで、ふいに降りてきた。
次に書くべき1文が。
切っ掛けは、公園の入り口で吠えていた犬。
そっくりだった。
頭の中に光が走ったように、無数の文字が浮かびだした。
やがて、無駄な文字が消えていく。
最後に残った1つの言葉。
何時間も探していた1文。
いまだ吠えまくる犬を遠目に、「サンキュー」と心でつぶやく。
さぁ、帰ろう。
帰って続きを書こう。
オレの相棒も、散歩に連れて行けと……
原稿の中で待っている。
原稿の中で待っている相棒 @fmfcjp
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます