小さなもみじ
@159roman
小さなもみじ
つなぐ。にぎる。なでる。さする。からめる。はなす。ふりはらう。また、つなぐ。
「あなたはその手にどんな未来を掴むのでしょうね」
きゅっと握った小さな拳を指でひと撫ですると、ふわりとほどけて小さなもみじが咲く。
顔を近づけると柔らかなミルクの匂いがする小さな命。
私の中から生まれ出でて分かたれた命。
壊れてしまわないようにもみじをそっとつつくと、懸命に指を握りしめてくる。その力が思いのほか強く、感動を覚える。
人形のように小さな小さな手。儚いほどに小さな爪と関節がついていて、ちゃんと人間の手の形をしている。
誰しもにこのような小さな時間があったことが不思議でならない。
そうしてまた感動を覚える。
優しさ。驚き。気づき。移ろう日々は発見の毎日。
あなたもいつか私のように愛する人の手をとるでしょう。
願わくは、その手に掴むのは素敵なものだけであれ。
願わくは、悪しきものをその手に掴むことなかれ。
目が覚めてぐずる我が子の小さな手に、祈るように優しく口づけを落とした。
小さなもみじ @159roman
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます