造花の答え合わせ
倉田加奈
第1話
犬は2匹
兎が一匹。
嫌われてないんだろうな
ということくらいしか
わたしには分からない。
夫はどう思っているか
それもわたしには分からないが
俺のことが好きだよな
なぁ?とムツゴロウもかくやという勢いで犬を撫で倒す彼は
2年前わたしの息子を殴り
そしてわたしと息子は離れ離れになった。
過量服薬は慣れたものだ。
死にはしないと分かっていても
毎回病院の天井を眺め
生きていることにほっとする。
どこの天井も
似たようなものだ。
薬剤とアルコール消毒液の臭い。
リノリウムを踏むナースの足音。
夫は呆れ顔で
貸しだからなとでも言いたげに
わたしの荷物を持つ。
煙草が吸えなかっただけで
わたしは軽いイラつきを覚えている。
そして今夜は
身体をまさぐられるだろう。
喘ぐ気にもなれない。
なぜならわたしはタダではないから。
しかしもうその仕事も辞めるだろう。
だがわたしが家庭を背負うことは
何があろうと揺るぎない事実だ。
自分を売ることしか上手にできることを知らない
そんな女の物語が
これだ。
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