信者

@0_0ai

始まり

彼の管を通り、排泄物として生まれたい。


皆はそう思ったことは無いだろうか。


私は、彼に憎いほどの愛を持っている。


彼に私の全てを食べられてしまいたいのだ

例えば、目玉をビー玉のようにコロコロと

舌で転がしながら、咀嚼をして欲しい。

私の最後に見る景色が、彼の唾液と共に流される。

とても綺麗だろうなと思う。

彼に咀嚼されて、狭い喉を通り、

食道を通じて胃の中に入る。

そして強烈な胃液により私の視界は白濁し角膜がじりじりと焼かれてしまう。痛みを感じる神経は私の体を離れた時に消えているはずなのに、私は痛みを感じてしまいたい。

彼の体の一部になれる喜びを抑えきれないだろう。

そして大腸を通り、排泄される。

ただ、溶けきれなかった私の硝子体がキラキラと彼の排泄物で輝いていて欲しい。

排泄されて流されるだけの物なのに、最後まで自分を認識していて欲しい。

考えるだけで苦しくなるくらい心地いい

彼は入口であり出口である。

彼が人生の最初で最後の人間である。


私は、彼の魂とひとつになりたい。

彼という個と私という個がひとつの塊になれればと常々考えてしまう。

一人の人間として生まれ変わりたい。

彼と私の寝癖を私と彼の手で直したい。


全てをひとつにしてしまいたくなる。

私はきっと、彼を殺すことができるのであれば、床にぽたぽたとこぼれ落ちる血すら這いずり回って舐めとって、自分の栄養にしてしまうだろう。

彼の臓器もできる限り咀嚼をせず、体の中に取り込み、私の糧にしてしまいたい。


愛というのは傷付くためにあると考えている。

ただ、彼に対して傷を付けるなんて考えるだけで恐ろしいと思っている。

彼が悲しむことも、嫌がることも、

もちろん傷付くことも何もしたくない。

ただ、私は夢見ているのだ。

彼を殺して自分を殺すことを

死体になった2人の血がひとつに重なって、

死体が運ばれて燃やされて、

そして遺灰になった2人は本当の意味でひとつになれるのかもしれないと。

私の愛は歪な形をしている。

ただこれは私の妄想のお話。

彼には何ひとつとして伝える気はない。

だって彼には別の顔の私が見えているはずだから。

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