瘴気が人を黒曜石にする世界。
それを治癒できる特別な乙女が現れるようになった。
必要であるが穢れであると見做され、乙女達は遠巻きにされ酷使されてやがて石となって死んでいった。
この国の王妃、シルフィエット。
王族の末の出身であり、王と婚姻を結ぶも病弱とされ離宮で静養する彼女はお飾りの王妃だ。だが、シルフィエットにはもう一つの顔がある。
覆面で顔を覆い、自らを犠牲にして人を癒す癒し手のカリーナだ。
国の都合で離宮で別人に成り代わることを強要され罪悪感に縛られ、また使命感で人を癒やし続ける彼女にひっそりと彼女に寄り添う衛士のアルベール。
誰も訪れなくなった離宮の庭園で二人の関係は静かに進んでいく。
短編にありながら濃密な設定で重く静かでつらいお話です。
彼女に幸せが訪れるよう、頚城から逃れられるように祈るしかない、そんな話です。
明るい話ではありませんが刺さる話です。
世界観にそして二人の気持ちに引き込まれました。
たくさんの方に、この愛の話を読んでいただきたいと思いました。素晴らしい作品をありがとうございます。