筋肉ムキムキで白い歯キラキラな変わり者の祖父「若い頃、わしは異世界で勇者だったんぢゃ」が口癖だったその祖父が亡くなり、屋根裏で見つけた異世界の「ルールブック」から物語は急展開する。
選択を誤れば即死というリアルTRPGの緊張感と、自称ゲームマスターの妖精やドS女騎士、あざと聖女といったクセの強い同行者たちが生むコミカルな空気のバランスが絶妙だ。「あなたならどうする?」と読者自身に問いかけるような構成が、短編でありながら強い没入感を生んでいる。
全4話・1万字弱とサクッと読める尺の中に、緊張と笑いがしっかり詰まっている。カクヨムコン11短編・中間選考突破も納得の完成度だ。
高校生の桜木勇は子供の頃、頑強で変わり者の祖父・荘五郎から「異世界」の物語を聞くのが好きだった。
そんな祖父がある日突然亡くなってしまい、遺品の整理をするために、祖父の家に向かうことに。
その屋根裏で、古い本と綺麗な箱を発見。
本の表紙にはどこの国かも分からない異国の文字が書かれ、箱には「勇へ」と書かれた紙が貼られていた。
箱の中身は指輪。
それを指にはめて、本を開くと……文字がすらすらと理解できるようになった!
『アルフェイム戦記――ルールブック』
その時、勇は光に包まれ……異世界へ向かうことになるのだが、そこにはゲームマスターなる妖精がいて――。
TRPGのルールのように『選択肢』が用意されていて、主人公の選択がどう転んでいくのか……読み進めるのが楽しい物語!
死してなおインパクトのある元勇者の荘五郎、その孫というプレッシャー(!?)の前で勇はどのように立ち振る舞うのか!?
また、キャラクター各人の個性的な描き方も素晴らしかったです。
連戦版も楽しみな傑作短編、是非ともご一読を!!!