「わたし」は「アオイくん」を愛していた。彼もたしかにわたしを愛していた。
わたしは彼の絵を描いて、インターネット上に公開していた。
ある日、わたしは彼と運命的な出逢いを果たす。
ああ、アオイくん!──
「恋は盲目」「恋の病」──なんとも甘美な、ロマンティックな印象を受ける言葉ですが、この作品で展開されることこそが、その言葉の正体なのでしょう。
周りにとって、否定的な言葉を吐いて騒いだり避けたりするのは簡単ですが、その「恋」に蝕まれた当人は、自覚もないで、その状況から逃げ出すこともできないまま、文字通り「恋に落ちていく」しかない。
「推し(推す)」というものがもはや文化として根づいた現代、「わたし」の存在は「怖え怖え!」とだけ言って見ていられるものではありません。
全6話、5000字弱に詰め込まれた、濃密な「恋」の物語。
甘酸っぱい、ほろ苦い……そんな生易しいものじゃない、恋が悪しきものへ変わっていく様を、とくとご覧くださいまし。