セロハン、ライブ!

飯麦 食飲

第1話 原瀬君は人から逃げ出したい!

 僕は絶賛、逃げ出したい中。どう言うことかって?周りをよく見てほしい。授業中なのにも関わらず、みんなが僕のことをじーっと見つめてうっとりしてくる。

「はーい、じゃあ、優馬ゆうまくん。ここの問題の答えは何かな?」

 先生も少し浮かれて名前呼び。と言うか、自分が答えを言う番になるとみんながノートにでっかく答えを書いて見せてくるせいで全く勉強にならない。


「えっと…2.5です。」

 少し心配そうな顔で先生に向かって答えを言う。


ボフッ!


何かが爆発する音が聞こえた。

……これはダメだなぁ…。先生までこんなにだったら授業もままならないよ…。

「……フフッ…優、馬くん……あ、ってる、よ〜…。」

 先生の目がハートになり、ほっぺに手を寄せて先生はもじもじ動いていた。


「…先生。顔真っ赤ですよ…。」


ボフッ


 するとまた、音が鳴った。

「……話しかけるだけでも爆発するのやめてください?!」

「ヒャァ!優馬君が怒ってくれた〜!」


ボフッ!


「……。あーもう!校長先生〜!」

 僕は校長室へとダッシュした。扉を勢いよく開けたがそこには頭がツルピカの丸メガネをかけたおじさん先生がいた。

「……あ。……葉梨はなし先…生…。」

恐る恐る、逃げようとするが先生が僕の後ろに回り込み肩を掴まれた。


やばい。葉梨先生も僕のメロメロにかかっちゃう先生だ…。逃げられない…。

「私は柔道黒帯だったので逃げられませんよ?ね、原瀬はらせさん♪」

 いや、♪じゃないんですよ!冷静キャラの葉梨先生がそんな♪なんてつけてるなんて知られればキャラ崩壊しますよ?!


 内心で爆発しながらトイレに駆け込む。

「……校長先生こんな時にどこにいるんだよ…。職員室だったらどうしよう…。職員室の先生全員に追っかけられちゃう……。」

 すると隣から変な声が聞こえた。


「ムフッ。かわいいな〜さすが梨里杏りりあさん。こんなにかわいいショットをたった500円でくれるなんて〜。ウハハハハハ。」

 …この声は…。

「このみんなから注目を浴びて困っている原瀬さん!かわいい!」

 僕は我慢ができず、隣のドアをノックした。


「…校長先生!何やってるんですか!」

 そう。僕の妄想だけど多分今ツルピカのおでこに一本だけ髪の毛が生えてて丸メガネをかけながらニヤニヤしている人は葉梨先生みたいだけど校長先生だ。


「……。校長先生は僕のメロメロにかからないと思ったのに…。……裏で何やってるんですか!まさか僕の脱いだ写真とか無いですよね…。」

 するとすぐに回答が返ってきた。

「もちろんそうだとも!梨里杏さんにはいい仕事をしてもらったなぁ〜。」

 …校長先生……。梨里杏ちゃん……。


「後で怒りますからね!梨里杏ちゃんも校長先生も!ふんっ!」

 僕はズタズタと足音を立てながらトイレを後にした。葉梨先生が途中くっついてきたが怒りのオーラでひれ伏した。教室に着くとクラスで唯一の仲良し(メロメロでも仲良くしてくれる)加藤 ふみ影かとう ふみかげ君に会った。


「……原瀬…?大丈夫か?なにがあった?」

 ちょっと過保護だけど周りよりはいい人。

「なあ!何があった?!聞かせろ!」

 ……多分。

「おい!聞こえるか?!うおっ反応がねぇ!救急車、救急車はどこだぁ〜!」

 ……いや、そうじゃないかも。


 僕はふみ影君によって医務室へ運ばれた。

「ふみ影君…。そこまでしなくても…ムググググ………。」

 途中まで言いかけるとふみ影君が優馬の口をチャックした。


「大丈夫だ!喋らなくていい!辛いだろ?!」

「○$△◇○$◁!(別にいいから!)」

 何も聞いてくれないよ…。ほんっとに何でこんなになるの…?


「どけ!心臓マッサージする!」

は?ちょ、ちょちょちょちょっと待って?!死んじゃうって!

 僕は必死にもがき、台から逃げ出した。

「あ、危なっ……。先生本当に医師免許持ってるの…?」



 そんなこんなでやっとのこと終礼も終わり部活の時間になった。僕はバレーが趣味でバレー部に入ることを決めていたがこの変な力でバレー部に入るためには抽選形式になってしまった。…と言うより、僕が毎年入ろうとする部活は必ず抽選会がある。もちろん、僕も抽選で参加するが多分僕の抽選枠だけ以上に確率が高く、ほとんど毎回選んだ部活に入れている。


「おーい優馬!生きてるかー?!」

 そう言ってふみ影君が爽やか笑顔で手を振りながら走ってきた。

「……。大丈夫だよ…。部活、行こ…。」

 ふみ影君も僕と同じバレー部で特にジャンプの高さとスパイクの速さがすごい。僕なんてレシーブしかできないのに…。


「あー。優馬!また自分のこと責めてただろ!」

 え、バレた?!

「バレた?!って顔してるぞ〜。……自信を持て!優馬はレシーブがすごいしサーブの助走も強いだろ?な!」

 そうして背中をバシバシと叩いてくる。…なんとなく、いい人なんだってわかる。


「まあいい。ユニフォームに着替えてチームメートに挨拶しに行くぞ!」

「うん!」

そして更衣室に行きチームメートの先輩方に挨拶する。


「久しぶりです…津谷先輩。」

 この癖毛が変なとこから2本生えている人は佐藤 津谷さとう つや先輩。高校3年生で僕の2年年上の大先輩。

「お久しぶりです、亜城先輩。」

 この金髪の優しそうな王子様キャラの人は高校2年生の南河 亜城みなみかわ あしろ先輩。僕にすごく優しくてメロメロにかかっても普通に接してくれている。


「元気そうだね。大丈夫?結構怯えてない?」

「俺のこと呼んだか?優馬。」

 ふみ影君を警戒していることを知った亜城先輩は僕の手を握ってくれ、緊張が少し和らいだ。津谷先輩はなんかキラキラ撒いてる凄い人…。


「大丈夫そうだね。じゃあ部長。始めましょ。」

「ああ。じゃあ俺に着いて来い。ウォーミングアップで体育館10周だ。」

 スタートラインに着き、クラウチングスタートの構えをすると突然、周りが光だした。


「なんだ?」

「ん?なにこれ。」

「眩しい…。」

「優馬!俺に抱かれてろ!俺が一生守る!」

 ふみ影君が僕をぎゅっと抱きしめて僕らは体育館からいや、地球から消息を絶った。

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