教えて!!ニアさんの魔法

甘袮ちはる

第1話 物を捨てる魔法

「なぁ、ニア。この竜の死体の山はどうするつもりなんだ?」


「あぁ…どうしよ。ルクスってカラスでしょ?」


 突然の問いにルクスは小さな?を頭に浮かべた。


「?そうだけどそれが何──」


「今日は晩御飯は一人前で済むか」


「待て待て!俺にこれを食えってか!?」


「だって、カラスだし」


「全国のカラスさんに謝れ!俺だって食いたくねぇよ。しかも!アンタさっき毒の魔法撃ち込んでたよな!?それ食わせんの!?」


 恐ろしい奴のパートナーになってしまったかもしれない。ルクスはニアと少し距離を取った。


「…仕方ない。バレットさんにも竜の死体これは好きにしていいって言われたし。…よし、処分するか」


 竜の素材は高価ではあるのだが、扱い方が難しい。しかも個体差が激しいため買い取りでは良い値がつかないことがほとんど。


「ニア、待て。コイツ、角だけなら結構質いいぞ」


 ルクスが比較的綺麗な竜の死体を指差して言った。


「じゃあ、それだけ採取してあとは処分しちゃていい?」


「いいぞー。あっ、魔法は俺がやるから。アンタだとこの地ごと切りそうだし」


「すごい失礼なこと言われた気がするけど…まぁいいや。お願いね」


 ルクスは小さな杖を顕現させ、竜の角に向けてこう言い放った。


「『風系統中級魔法ウィングスト』」


 多少強めの風の刃が竜の角を削りきった。


「おっと、これなら十万は行くだろうな」


「ルクス、終わった?」


 杖を構えながらそう言う彼女に少し怯えながらもルクスは頷いた。


「じゃあ、片付けるよ『物を捨てる魔法オミットー』」


 ニアがそう唱えると十頭の竜の死体は綺麗さっぱり消えた。


「す…すげぇ。ニア、あの死体の山はどこに行ったんだ?」


「生ゴミに分別して国中のゴミ箱に少しずつ突っ込んどいた」

 

 竜って生ゴミでいいの!?


 驚きが止まらないルクスであった。

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2026年1月24日 18:00

教えて!!ニアさんの魔法 甘袮ちはる @kazunoko0326

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