「神様、私からまだ奪うものがありますか?」――五感を捨てた狂信者の救済――
あい
第一話 さようなら、私が「人間」だった日
ああ、私は本当に昔から使えない
なぜ、あの時美雨妃様のお食事に毒が入っていることに気が付かなかったのだろう。
なぜ、食べてしまったのならお守りできなかったんだろう。
後悔してもしきれない。
冷たい処刑台と人々の目線。
聞こえてくるのは罵詈雑言。
でも、罵詈雑言と冷たい目線だけは少し嬉しく思えた。
その目線はその罵詈雑言は
貴方を守れなかった私など死んで当然なのです。
ついに処刑の時間が来てしまいました。
地獄で罪を償ったらすぐに貴方の元に行きます。
その時が来たらもう一度貴方の侍女にさせてください。
そう願いながら意識が薄れゆく
完全に真っ暗になると突然白い光が見えた。
「主を助けたいならお前の五感をよこせ」
えっ?
私の五感ごときで美雨妃様をお守りできる?
そんなものでよいのですか?
「はい!美雨妃様をお守りできるなら!」
「私の全てを持っていってください!」
また周りが真っ暗になった。
「
美雨妃様の声?
暖かくお優しい声が聞こえた目をあけると
目の前にはお美しい美雨妃様がいた。
私が大好きなあのお優しい笑顔を浮かべた美雨妃様が、
「美雨妃様?」
「どうしたの?」
不思議そうにこちらを見る美雨妃様。
心配させてはいけない!
せっかくあのお優しい神様にこの日まで戻してもらったんだ。
美雨妃様に心配をかけて赤ちゃんに影響があったら、大変です。
落ち着くためにお茶を飲む
温かい、
美雨妃様が褒めてくださる私が入れたお茶味。
一呼吸おき私は精一杯美雨妃様が褒めてくださったいつもの笑顔を貼り付けた。
「おめでとうございます」
「玲玲これから大変なことも多いけど、信頼してるわ、よろしくね」
不安そうな美雨妃様、
震える手を握る。
暖かい、私のよく知る優しい手。
早く安心させてあげないと
「はい、この身に代えてもお守りします」
「だから、どうか安心してくださいね」
少し美雨妃様の震えが収まったような気がした。
…ああ、温かい。この手の感触を忘れる前に、早く、早くお売りしなくては、
あの方の命を脅かす、醜いものたちと
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