第1話 裏切り

『トールマン何故、俺を殺そうとするんだ? 俺は魔王を倒してこの世界を……』


『魔王はもう他の勇者が倒した……魔王が居ない今、勇者のお前は俺達には要らない! 魔王は勇者しか倒せない! だが、魔王が居なくなった今、もうお前は用済みだ……すまないが死んで貰う』


『俺は、勇者になったその時から、この世界を救おうと頑張ってきたんだ。それなのに、なんで……お前達は、俺を殺そうとするんだ』


今回のダンジョン……トールマン達が積極的に戦わずに俺ばかり戦わせていた。


このダンジョンに潜る時にはもう俺を殺そうと考えていたのか.......


ミランダはどう思っているんだ。


『お父様がね、アルトは邪魔だって言ってきたのよ!  今迄は魔王を倒して貰わないと困るから、お父様に言われて、貴方を愛している振りをしていただけよ! 私が愛しているのはトールマンよ! 魔王が倒された今、貴方は必要ないわ……ホーリーサークル』


金髪の美しい少女が冷酷な笑みを浮かべ俺に魔法を放ってきた。


ミランダは聖女で、第三王女……恋人の振りをして、元から俺を利用しようとしていたのか……


バシュッ……音を立てて光の輪が俺の右足を掠っていき、血が噴き出した。


『グッ……』


『斬鉄!』


ドスッ  俺の腕が一瞬で斬り落とされた。


剣聖イザベル。


スキル斬鉄か……クソッ。


『お俺の腕がぁぁぁぁぁーーー何故だ! イザベル……俺は……』


『悪いなアルト、ミランダ様に頼まれてね! 君を殺すのを手伝えば騎士爵が貰えるんだ!』


『ハァハァ、俺がなにをしたっていうんだ……』


『アルト、お前が人気者だから悪いんだ! お前は民から慕われている! この国の王以上にな……それが王には目障りらしい!』


トールマン......そうか、お前は貴族だった。


王に頼まれたのか......


『そうね、民の為と言ってお父さまに調子に乗って進言なんてするからいけないのよ』


『聖女で王女のミランダ様、公爵家のトールマン様。それに対してお前は勇者とはいえ平民、どちらかにつくなら、ミランダ様達につくさ』


元から全部が俺の敵だったのか......


『見逃してくれないか?』


『君を殺せるチャンスは今しかない。 魔物と戦い消耗した今なら僕ら3人で君を殺せる……此処を見逃せば、今度は俺達がお前に殺されかねない。見逃すわけないだろう?』


『そうかよ』


トールマンが目を吊り上げ殺意を向けてくる。


『トールマン親友じゃ無かったのか……』


『お前など親友な物か! 平民なんかと友達になるわけ無いだろう?』


こんな奴らの言うがままに俺は、戦い続けていたのか?


恋人面して親友面して……最後には……俺を……裏切り殺すのか。


利用するだけ利用して殺す……クソッ喰らえだ!


『お前等絶対にハァハァ......ゆるさねぇ』


『ファイヤーストーム』


『ホーリーサークル』


『斬鉄』


『ぎゃぁぁぁぁーーー復讐してやる! 呪ってやる!』


炎と光に包まれ切り刻まれ俺は……命を落とした。

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ブレーブメンドロップアウト!バンパイヤ勇者  仲間に裏切られた勇者は不死者として蘇る!  石のやっさん @isinoyassan

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