【至急確認】「国民安全連帯税」の特別徴収に関するお知らせ 〜支払いは、貴方の身体の一部で〜

いぬがみとうま🐾

プロローグ:徴収開始の御案内



「カサリ」


 廊下の向こうで、乾いた紙が床に落ちる音がした。

 ポストの受け口から滑り込み、重力に従って静かに横たわったその音を、貴方は聞き逃したかもしれない。


 それは、よくあるダイレクトメールの音に似ている。

 人によっては、督促状や不在票、あるいはただのチラシと同じに聞こえるかもしれない。


 だのに、貴方の指先はそれを拾い上げるのを拒んでいるはずだ。

 本能が告げている。その封筒の中身は、言葉ではない。

 それは「義務」であり、「欠損」の予約票なのdだと。


 「失われた三十年」と揶揄されていた日本という国が、その平穏を保つために何を対価にしているか、貴方は考えたことがあるだろうか。


 株価が安定し、治安が維持され、明日もまた陽が昇る。

 その裏側で、誰かの「左手薬指」が、誰かの「子供の将来」が、誰かの「初恋の記憶」が、淡々とシステムに吸い込まれている。


 この「国民安全連帯税」は、決して逃れられるものではない。

 住所を消し、名前を変えても、貴方のマイナンバーは地脈と繋がっている。

 

 読み進めることを止めても無駄だ。

 この文章を一行でmお読んだ時点で、貴方はシステムの存在を「認識」した。

 認識とは、すなわち「通知の受領」に他ならない。


 これから提示するのは、フィクションではない。

 かつて存在した者たちが遺した、あるいは現在進行形で奪われている者たちの「記録」だ。


 音が消えた深夜、貴方の部屋の隅に立つ「黒いスーツの影」に気づいたとき、もう支払いは始まっている。

 

どうか、覚悟を決めてほしい。

 日本を守るための、尊い犠牲に感謝を。


 さあ、ポストの中身を確認しに行く時間だ。


 予約投稿にミスがなければ、令和八年一月十八日、六時六六分。貴方はこのWeb小説を読み始めることができるだろう。

(急いで書いているので誤字が多いかもしれないが、そこh許して欲しい。とにかく、推敲する時間もないのだ)


 ……そして、貴方がこの文章を読んでいるとき、私はもう、この世にいないかもしれない。でも、最後まで読んで欲しい。私のためでも、貴方のためでもなく、日本の未来のために。


 ――著者 いぬがみとうま



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