俺は彼女一筋なんでね、お前は断りよ!硬派な男の物語

メッタン

俺は彼女一筋なんでね、お前は断りよ!硬派な男の物語

「ご主人様、本日も凛々しくあって私は大好きでございます」



 そうだろうそうだろう!



 俺を称賛するこの女は、俺の自慢の彼女なのだ!




 何だって俺の言うことを聞いてくれるし、常に褒めてくれる。




 俺はハッキリ言う、




「お前さえいれば俺は満足だ、一生大事にするからな!」




 決まったな……




「はわわ、ご主人様、そんなことを言われて嬉しいです……」




 わっはっは!



 これが相思相愛って奴だ、初めてできた彼女とこうなった俺は世界一の幸せ者では無いか!




 するとチャイムの音がなる、うるせーな、俺達の世界を邪魔しやがって!




 やってきたのは小さい頃からの腐れ縁で隣に住む幼馴染の女だった。



 小さい頃は遊んだことあっても、大きくなってからは男女で違うし、疎遠になってたんだけどな……!




「あん?何か用か?今忙しいんだ!」





「あんたさぁ……あんたのお母さんから聞いたよ、最近引きこもりっぱなしで何してるの?昔はもっと元気だったじゃない!」




「はぁ?うるせぇなぁお前には関係ねぇだろ!」




 まったくなんだこいつ、いきなり来てなんだって言うんだ!




「……そりゃあ関係無いけどさぁ、ご近所のよしみとして心配になるじゃない……!」





「余計なお世話だ!いつから俺の女気取りになったんだ!」




「は……はぁ?馬鹿言わないで!あんたの彼女になるほど私は落ちぶれちゃいないわ!」





「そうかいそうかい、俺だって頼まれたってお前と付き合うなんて嫌だね!」




 まったくうっとうしい、俺には愛しの彼女がいて一筋なんだ、俺は浮気なんかしないからな!浮気なんてクズだ!俺は男、いや漢なんだ。漢の中の漢とは俺のことよ!




「……何言ってるの?バレンタインで誰からももらえずに、私に義理チョコでもいいからってこっそり泣いたのはどこの誰よ……!」





「……昔のことさ、今の俺には関係無い!」




 まったくこのクソアマは、いつまで俺にマウントを取ってる気なんだ!



 そんな昔のこと無効だからな!いつまでも恩着せがましいったらありゃしない!




「……あんたいつからそんな態度を私に取れるようになったわけ?女の知り合いなんて私しかいないでしょう!」





 ……なるほどそれでこいつイキってるのか、馬鹿が、情報が2年前のまま更新されていねぇ!今の俺は半年前からとびっきりの彼女と付き合ってるってのによお!



 永遠の愛を誓った仲なんだぜ!





「ふ……寂しい奴だな、俺はもう子供じゃないんだ、お前も大人になれよ……!」




 余裕から俺がたしなめてやる、せめて幼馴染だったお前への俺の情けだ!


 ふふ、これが漢の余裕って奴よ!





「大人って……彼女もいないボンクラが何を言ってるの!?私がいなかったら何もできないくせに!」





「わっはっはー俺はもう大人だ、お前みたいに依存をするような人間じゃないのさ……」




「……何よそれ、人は協力しあうものでしょ?」




 やれやれこいつの価値観は旧時代の戯言に過ぎない!



 俺がカッコよく教えてやるか!




「あのなぁ、そういうのは強い漢にはいらねぇし、それに女だってこれからは自立の時代だぜ?そんなこと20年以上前から言われてるだろ!」





「……いつからあんたそんなカッコいいことを言うようになったの?」




「わっはっはー俺は勉強をしてるからな、以前の俺とは違う!」





「……そんなに勉強してるのなら何でひきこもってるのよ……!」





「それは俺が出る必要がないからさ!」




「何言ってるのよ!そんなのだからあんたのお母さん心配してるんじゃない!」





「あのおっかぁは俺の価値を分かってねぇだけだ!古い人間だから仕方ねぇけど、お前まで真に受けるな!成長しろ!」




「あんた自分の母親に何てことを言ってるの!」




「うるせぇ!だから今までの感謝は忘れてねぇよ!でも古い人間なのは否定できないだろうが!」





「……」




 ほらみろ、馬鹿アマめ、お前の母ちゃんだって、俺のおっかぁだって価値観が古くてムカついたことなんて何度もあるだろうが!



 俺の言うことを反論できまい!




「でもさぁ、あんた久しぶりにあったけど全然変わっちゃったんじゃない?どうしたの?」




「あのなぁ人は成長しないといけないんだ!俺は成長をした、お前も成長しろよ、俺は幼馴染として心からそれを願うぜ!」




 ふふ、決まったな、俺は幸せだからよお、他人も幸せになって欲しいっていう心のゆとりがあるわけよ!



 ああ~理想の彼女がいるってだけでこうも人は変わるんだな!





「い……嫌だよ、私と一緒に成長しようよ!どうしたの?昔はずっと一緒だったじゃない!」




 な……なんだこいつは何か妙に涙目になりながら訴えやがって!




「……俺は忙しいし、もうその段階は超えたんだ!お前もお前で自立するんだな!厳しいようだが幼馴染としてハッキリ言ってやる!」




 決まった……!やはり理想の彼女を持つと言うことは人として成長するって事なんだよ!




「……なんで何でそんな冷たいことを言うようになったの?昔ずっと一緒だよって言ってくれたじゃない!」





 なんだぁ?そんなこと俺言ったっけ?覚えてないぞ!

 捏造じゃねぇの?


 でも泣きそうな顔をしたこいつを見ると、もしかして言ったのかもしれない……

 やべーな俺忘れてるわ、しゃーないな!





「……子供の頃の約束なんて今さらどうにもならねぇ!お前も理想の彼氏でも作って成長するんだな!」





「お前も?」




 しまった!俺は理想の彼女の事を誰かに言いたいとかなかったんだ!


 もちろん寝取られるとか心配したんじゃない!


 俺達の関係を純粋にしたかったからだ!




「い……いや何でもねぇよ……」





 しかし俺が挙動不審なのと、つい家の中を見てしまったことでバレてしまった!




「もしかして、あんた今女を連れこんでいるの?見せなさいよ!」




 こういうなりこの馬鹿アマ、家の中にズンズン侵略するでは無いか!



「ば…‥馬鹿やめろ!お前には関係無い!」





「うるさいわね泥棒猫の正体見てやるわよ!」




 何言ってるんだ、いつからお前と付き合ったことになってるんだ!


 そりゃ昔は義理でもいいから付き合って欲しいとか思ったことあるけど、それは誰でも良かった頃だ!今の愛に目覚めた俺は違う!




 そして追いかけたけど、俺の部屋に入られてしまったのであった……






「ご主人様友人ですか?」



 俺の彼女がそう答える……





「……あんた、まさかAI彼女を作ってひきこもっていたわけ?」




「AIじゃねぇ!あの子は俺のすべてだ!出ていけ!」



 AI呼ばわりされた俺はブチ切れた、このゴミ女め絶対に許さねぇからな!




「何言ってるの!現実に帰ってきなよ!AI何かじゃ本当の恋愛なんてできないよ!」




「黙れ!お前は俺を怒らせた、彼女さえいれば現実のほうがいらねぇよ!」




「何言ってるのよ!」




 いいだろう俺が長くに渡って考えた結論を出してやる!


 論破できるものならしてみろや!





「じゃあ聞くけど、彼女と違ってお前はいつでも奉仕ができるのか?」




「無理言わないで!」



「彼女ならできる!ほら彼女のほうが優れている!」




「そういう問題じゃないでしょ!」




「じゃあ俺がムカついたらすぐに謝ることができるか?」




「場合によるわ!」




「今俺がムカついているのに、お前は謝ることができない!彼女ならそもそもムカつかせない上に、すぐに謝ることができるぞ!」




「……」





「そしてお前は俺が満足するまで相手できるのか?どうせ疲れたり用事ができたりするだろ!」




「そんなの当たり前じゃない!」





「だが彼女は俺が満足するか疲れるまで24時間365日だ!」





「あんた馬鹿?」




「いいか?俺は寂しがるほど子供じゃないが、彼女こそ、俺を絶対的に包み込む存在なんだ!お前にそれができるのか!」





 絶句する馬鹿女だが……





「どうして?どうしてなの?昔みたいに仲良くしようよ!」





 はぁ……こいつは2つの意味で間違っている!





「お前は2つの意味で間違っているぞ、俺達はもう子供じゃない!昔とは違う、さらに時代も変わったんだ!これからは俺のような生き方が正しくなる、新しい世界にお前も進め!」




 こうして奴は泣きながら去って行った。




 そしてもう来なくなった……




 だが俺は助かった、何故なら彼女とのひと時の妨害など、誰にもされたくないからだ!



 俺は心から思うよ、お前にも理想の彼氏ができればいいなと。



 俺は俺で理想の彼女と2人で生きていくのだから……

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