第3話 墓地の裏手に住んでいたころの話①~③

 ①

 墓地のすぐ裏手のアパートに住んでいたころ。

 窓を開けると墓石が並んでいる景色が見えた。

 そこに住んでいた時期だけよく金縛りにあっていて、

 部屋の中央で寝ていたのに、目が覚めると

 墓地側の壁に布団ごと張り付いているということが

 たびたびあった。

 何かに引っ張られたのでしょうか。



 ②

 墓地のすぐ裏手のアパートに住んでいたころ。

 窓を開けると墓石が並んでいる景色が見えた。

 そこに住んでいた時期だけよく金縛りにあっていた。

 その日は、開いた窓の外の墓地とアパートの間の道から

 どこかの家族らしきにぎやかな話し声や、足音が足音聞こえてきた。

 午前2時。お盆の夜のことでした。

 

 ③

 墓地のすぐ裏手のアパートに住んでいたころ。

 墓地とアパートの間に細い道があった。

 坂道になっていて、下る途中に自動販売機があった。

 夏の夜、遊びに来ていた彼女がのどが渇いたというので自動販売機に買いに行くことになった。

 坂を下る途中で彼女の足が止まった。自販機はやめて、逆方向にあるコンビニに行こうと言う。自販機はアパートからすぐで、もう見えている。しかしどうしても自販機は嫌だという。

 結局、反対方向の少し離れたコンビニに行き、アパートに戻った。

 理由を尋ねると、なんだか自販機の方には行かないほうがいい気がしたと言うのだ。

 「なんでそう思ったの?」

 「あのときね自動販売機の横に黒い渦みたいな塊があったの。それで何だかそっちに行かないほうがいい気がして。コンビニの帰りにはもう渦はなくなってたんだけど」

  翌日。夫の不倫に悲観した妻が灯油をかぶって焼身自殺したというニュースがテレビから流れていた。場所はその自動販売機のすぐ傍の大通りだった。

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