見えない鎖

海月ともね

プロローグ

「私達は見えない鎖で縛られ、それにより無意識的な振る舞い方や行動をとってしまう。そんなことには気が付かずに、毎日のように生きている。」

これを始めて理解したのは私が高校に上がった時の話だった。


私は神奈川県の湘南の海の近くに生まれ、そこで育った。私は近所の学校に通っていたのだ。その学校には変わった部活があった。カウンセリング部という部活だった。別名、相談部であった。私は人の話を聞き、仕草や表情で、何を考えているか予想を立てることが小さい時から得意だった。しかも人の役に立つのが大好きだった。そんな私は中学一年の時に、この部活のことを知り、入りたくなったのだ。この学校は姉が進学した高校でもあったため、中学の頃からよく質問をしていた。ただ、姉は全く関わりがなかったらしく、私の中ではずっと謎めいているものであった。


そんな夢の部活の仮入部に行った日、少しがっかりしたのを覚えている。それは、私が思い描いた、精神を病んでしまったりだとか、少し話したいことがあっても誰にも相談できないとか、問題を解決するような部活かと思っていた。が、それはこの部活の表の顔だとは知らなかった。街の人との会話、愚痴、相談などといったボランティア活動、という顔の裏には、情報収集という裏の目的で行っていることであった。いわゆる、知る人ぞ知る探偵事務所のようなものだった。はじめは、入らずに、他の部活に入るかと迷ってはいたものの、探偵ごっこも、面白いゲームのようなのでは、と思い、入部することに決めた。


しかし、なかなか事件というものは起こるものでもなく、ただただ話相手になるようなことばっかりだった。


そんないつものような一人の相談に、何か引っかかる点がいくつかあったのだ。そんな違和感に頭を抱える暇もなく、いつものように次から次へと色々な人の相談は続いた。ある人の相談で、ハッと点と点が繋がったかのように、ある事件が浮かび上がってきたのだ。

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