他人から見たらどうでもいいこと。

かがみゆえ

キョウダイ話

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先輩(高2)と後輩(高1)





「お前って絶対兄貴いるよな」


「先輩、何ッスか急に?」


「ん。なんとなく?」


「いますよ、兄貴」


「やっぱりか。そんで弟とかもいそうだな」


「流石に弟はいないッス!」


「じゃあ、お前は2人兄弟か」


「いえ、俺は5人兄弟ッス!!」


「へぇ、5人かぁ……5人!?」


「はいっ!! 俺ン家は長男次男三男四男……」


「待て待て。お前は何番目なんだ? まさか、末っ子五男とか言わないよな?」


「はいっ! 俺は四男です!!」


「兄貴が3人もいるのって、すっげぇな。そんじゃあ、お前の下には妹がいんのか」


「えっ!? 何で分かるんッスか! 先輩、エスパーっ!?」


「アホか。お前が今、『弟いない』って言ってただろうが」


「先輩、記憶力すごいッス!」


「俺は普通だ。お前がアホすぎるんだよ……」


「そうッスか?」


「……話を戻すけど、お前の両親はよっぽと娘が欲しかったんだな」


「えっ!?」


「いちいち驚くな。だってそうだろ? 子供が3人でも多いって言われてるこのご時世に5人も産んだとなるとすっげぇ子供好きか、娘が欲しかったのどっちかだろ」


「先輩の言う通り、俺の親も子供は多くて3人って思っていたらしくって。3人目の最後に女の子が産まれれば良かったんですが、三番目も兄ちゃんで……」


「良かったな、3人目が兄貴で」


「何でッスか?」


「……だーかーらー。お前が今、俺にそう言ったんだろうが!」


「へ?」


「三男が長女だったらお前の両親の願望は叶ったんだから、4人目のお前を産む意味ねぇだろ?」


「なるほど! 先輩頭良いッスね!!」


「……………」


「話戻しますけど、3番目の兄ちゃんの次に俺(4人目)こそ女の子と望んだんですが、四男で……」


「うん」


「そして俺の両親は、『だったらもう、女の子が産まれるまで、何人でも作ろう』って話になったらしく」


「自棄になっちまったんだな」


「その後5人目にして、ウチにやっと待望の女の子が産まれました」


「お前の母親、頑張ったんだな」


「妹が産まれた後に聞いたんですが、流石に母さんも6人も産むのは無理だから、5人目も男だったらそれはそれで良いかと。『これがホントで最後のラストチャーンス!!』って意気込んだみたいッス」


「お母さん、頑張ったんだなー」


「そういう先輩は、お姉さんとかがいそうッス!!」


「俺? 俺は弟だけだけど?」


「弟! 良いッスね!! 俺も弟が欲しかったッス!!」


「おかーさんに頼みなさい」


「先輩、俺の話聞いてました?」


「えっ!? そこの記憶はあんのか!」


「え? 何でそんなに驚くんッスか?」


「普段の行い」


「うっ!! すいません! 俺の心が汚れてるからぁーッ」


「だから、そういうところからきてんだろうがッ!!」


「すいませんっしたーッ!!!!」


 泣きながらその場から走り去る後輩だった。





「あいつらって仲が良いのか悪いのか、どっちなんだ……?」


「しっ!」





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