これまでの俺TUEEEは魔王によって阻止されました〜魔王を追い詰めた元最強勇者が世界の2巡目から蘇生専にさせられました〜
ぽてぃ カクヨム金のたまご選出
俺TUEEEとご都合主義
「終わりだ、観念しろ!」
転生してから数年。僕はチートスキル『スキル操作』によって世界をリセットしようとしている魔王を追い詰め、平和まで後一歩というところまで、仲間の犠牲を払いながらたどり着いた。
もはや魔王に勝ち目はない。盛りに盛られた俺のスキルの前では、どうやっても魔王に勝ち目はない。というよりも、魔王の攻撃がどれもランダムという時点でおかし買ったが、異常だったのはその引き運だ。仲間を確実に仕留める一手を引き当てる。そこに違和感を感じていた。あいにくスキル分析なんていらないくらいに強くなってしまっていたので、そんなスキルはとっくに捨てていた。大切なものは失ってから気づく、ではないけれど、鑑定なり分析なりの低級スキルを覚えておくべきだったと後悔した。
「チッ、さすがはここまでたどり着いた勇者。実力者であることに間違いはないな」
ボロボロになりながらも、魔王はその威厳と特殊パッシブによるオーラを放っている。なんか半分くらい削ったらオーラが出てきたので、おそらく条件付きのパッシブだろう。
当たり前だ。と吐き捨てるように答える。もう、決着はついたも同然。向こうがランダムスキルを発動するには一定の間隔があるのもわかっている。あくまで視覚情報だが、ブレがないことからほぼ確実と言えるだろう。
「さっさと終わりにしようぜ。お前がデカくてノロいだけなのはよーく分かった」
剣を構え、一気に踏み込む。すでに限界を迎えているんだろ? 守る体力さえ、残っていないはずだ。
魔王の口角が上がったのが見えた。違和感を感じた頃には、僕は魔王の手から剣を引き抜くことに精一杯になっていた。
「詰めが甘かったな。いや、貴様そっくりに返すのが美徳、ってやつかな?」
魔王は空いている手から何かを見せる。それは何なのか僕にもすぐにわかった。チンチロにも使われる、アレだ。それを魔王は指の間でクリクリと移動させながら僕の方をさっきと同じような顔で見つめてくる。
いや、それがあったから何だ。ロール数値系のスキルは決まって弱いと相場は決まっている。切り札にするには弱すぎるだろう。
「貴様は1つ、勘違いをしていることにまだ気づいていないんだろうな。」
魔王の爪が1の目のところに触れると、巨大化してその全貌は見えてくる。そう、やっぱりダイスだ。ただの6面ダイス。いや、待てよ。こんなダイスが実体化して処理されるスキルなんてあったか? いや、ない!
体が危険を察知した頃には遅かった。
「さっさと終わりにしてやるよ。貴様が自惚れている節穴なのはよーく分かったからな」
魔王はさっき僕が言ったのと同じような言い方で挑発してきた後で、ダイスを振った。直後に僕は支えを失い、後ろへと尻込みする。数秒前よりも体が軽くなっているのを感じる。いや、おかしな体の重みの減り方だ。まるで、装備を全く持っていない初期値の冒険者のような――
いや、信じたくない。メニューを念のために開いてはみたが、マジで勘弁してくれ。そんなことがあり得るはずがない。何かのバグ、いやそもそもゲームの世界に転生したわけでもないのにバグっていう方がおかしいか。ってかそんなことはどうだっていい。
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ヨシタケ 職業:スペルガーディアン
スキル:蘇生促進
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いや、マジでこれしか書いてないんだ。信じてくれ。何が起こったかマジでわからない。本気で今起こったことを話すことしかできない。いや、話す相手などいないのだが。武器もない、盾もない。いや、どうしろと。いや、周りの状況を見渡してみるとさっきと状況は変わっていない。まだ魔王の世界のリセットが始まったわけではないのだ。てっきりリセットだと思い込んでいた僕は落ち着きを取り戻す。
「ガハハ! 弱々しい姿になっちまったなぁ」
灰と化していくダイスを手に持ちながら、魔王は高笑いしてきた。上等じゃねぇか。そんな低い体力で図に乗っていられるのも今のうちだ。
「壁……?」
魔王の体から出てくる0。それが全てを物語っていた。いわゆる
「それじゃあな、元勇者様。貴様のチートスキルは下級スキルに入れ替えておいた。また俺を倒したけりゃ、今度は誰かのサポーターとして来るんだな。それか、温情で残してやったここまでの記憶で足掻くといい。フハハ!!」
世界が真っ白に包まれる。間に合わなかった。いや、どちらかといえば間に合わせられる手立てを早々に捨てていた、の方が正しいだろうか。相手の見極めを持っていれば、ダメージを一切受けないではなく、倒れても起こせるにしていたら。
そんな後悔が一気に頭の中をよぎる。ここまで俺TUEEEEをしといて、負けるなんて恥すぎるしこれが小説だったら大荒れ確定だろう。魔王のてのうちも何も分からないなんて、不完全燃焼すぎる。転生前の僕が読者だったら酷評するに違いない。主人公が負けるために用意されたご都合主義すぎる。そんな意見がSNSに大量にばら撒かれることになるだろう。
白い光に包まれ、僕の今までの旅路が逆行していく。記憶が割れて、空間へと散らばっていく。
最初の街だけは、変わらずに残っていて僕を飲み込んだ。そこだけはどこまでも変わらないようだ。
――――
久しぶりに異世界ものを書いています。ぽてぃです。もし、誤字脱字があればコメントなどで報告してくださるとありがたいです。
今日は後2回、話があがります。
今日からカクヨムコンに間に合うかはわかりませんが、毎日投稿して行こうと思いますので、いいねや星で応援よろしくお願いします。
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