潮騒に惑う:江戸に消えた巨影
夏みかん
紹介文、まえかき
紹介文
江戸の港に迷い込んだ一頭の鯨。
その命を前に立ったのは、父を鯨に奪われた少年だった。
憎しみか、慈しみか。
振り上げた竹槍の先で、少年は“本当の強さ”と出会う。
これは、復讐を越えて心が結ばれた、
人と自然の再生の物語。
波の音に耳を澄ませながら、
少年・勢至丸と鯨の、静かで大きな旅路をご覧ください。
まえがき
海は、時に荒々しく命を奪い、
時に優しく恵みを与えてくれます。
潮の香り、波のうねり、遠くで鳴く海鳥の声。
海は、いつの時代も人の営みのすぐそばにあり、
恐れと希望を同時に抱かせる存在でした。
これは、そんな気まぐれで雄大な海と共に生きた、
ある一人の少年と鯨の物語です。
舞台は、今から三百年ほど昔の江戸時代。
父親を鯨に奪われ、復讐心に燃える少年――
勢至丸(せいしまる)。
彼の手には、
父の形見である鋭い竹槍が、
いつも固く握られていました。
しかし、運命のいたずらが彼を導いたのは、
戦いの場ではなく、
傷ついた命との対話でした。
憎むべき相手が弱り切っているとき、
あなたならどうするでしょうか。
振り上げた拳を、
あなたはどう下ろしますか。
そこには、人間が持つ
「本当の強さ」が試される瞬間があります。
この物語は、ただの昔話ではありません。
憎しみを乗り越え、
自分とは違う存在と
手を取り合うことの尊さ。
そして、情けをかければ、
それはやがて巡り巡って
自分のもとへ帰ってくるという希望。
波の音に耳を傾けるように、
どうぞ心を静めて、
勢至丸の心の旅路に
お付き合いください。
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