未来へ

恋愛のクライマックスと未来への展望

夏の大会が終わり、部活の後片付けをしていたエース。校庭の隅で、彼女が待っていた。日常の中で積み重ねてきた二人の関係が、自然にクライマックスを迎える瞬間だった。

「ねえ……話があるの」

彼女の声は少し緊張している。エースは手を握り返し、うなずく。

「俺も……聞きたい」

夕日に照らされた校庭で、二人は互いの目を見つめた。事故後のリハビリの日々、部活での支え合い、地域の野球教室での挑戦――すべての経験が、この瞬間に意味を持つ。

「事故のあと、あなたがどんなに苦しんだか知ってる。だけど、それでも前に進もうとしてる姿を見て、私もあなたのことを大事に思うようになった」

その言葉に、エースは胸がいっぱいになる。失ったものの大きさと、それを補うように得たものの尊さを思い出す。

「俺も……君と一緒にいると、勇気が湧く。支えてくれてありがとう。俺……君のことが、ずっと大事だ」

二人の手が重なり、笑顔が交わされる。日常の中で育まれた信頼と恋心が、静かに結実する瞬間だった。

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未来への展望

その後も二人は互いに支え合いながら歩み続ける。エースは部活や野球教室で活動を続ける一方、将来は障害者スポーツ指導やリハビリ支援の仕事にも関わりたいという夢を持つようになる。事故で失った身体能力に代わる、言葉や経験を活かした社会的価値を見つけたのだ。

彼女も、そんな彼を尊敬しながら支え続ける。学校生活や地域活動を通じて、二人は互いの成長を見守り、励まし合う関係を築く。

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エピローグ

ある日の夕方、二人は校庭で車椅子に座ったまま、子どもたちの練習を見守っていた。風に吹かれながら、彼はふと思う。

「事故前には想像もできなかったけど……今の自分には、こんなにも大切なものがある」

部活、地域とのつながり、そして彼女――事故が奪ったもの以上に、価値あるものを得た自分。日常の積み重ね、支え合う関係、そして新しい挑戦が、人生を豊かにしていた。

「これからも、ずっと一緒だな」

彼女の手を握り返し、夕日を見つめる。未来はまだ見えないけれど、互いに支え合い、希望と夢を抱いて歩いていける――それが事故を乗り越えた二人の、確かな強さだった。


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僕らのエースは車椅子 真田直樹 @yukimura1966

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