滅んだ世界のツヅキカタ――滅亡後に学ぶということについて

町 玉緒

第1話 フレーメンの手記

この実験は、七回目の失敗である。


穢れた世界を取り戻すための、誰でもできる“簡単”な実験。

命と引き換えで得られる代償は、実に衝撃的なものだった。






生暦1150年――――否。

正しくは西暦3200年である。


そして、この世に神など居ない。

あの蠢く瘴気は神の戒めなどではなく、大昔――1150年前の人類が作り出したものだった。


その瘴気は人類を蝕み、私達をこんな世界の辺境へと追い込んだのである。


私が分かるのは、ここまでである。



この記録を書いている私は、明日まで生きられないだろう。


私は禁忌を犯した。信仰心にも道徳心にも反する事だ。当たり前の仕打ちだった。


だがもし、この書物を見ている君がいるなら、この言葉を贈ろう。


「憎むべきは罪を犯した己でなく、世界を再生しようと立ち上がれない己だ」


もちろん、この研究を続けろとは言わない。この研究を受け継ぎ、世界を再生しろとも言わない。


ただ、自分を信じて思ったことをやりなさい。さすれば道は開かれるだろう。


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