白骨の誓い ―Peacefulを護る亡者―

@IZUMIN21

Peaceful Story

Peacefulの地下深く、薄暗い通路に白い骸骨の影が揺れていた。


錆びたジルコンギアを纏い、関節がカタカタと鳴るたび、かつての鎧の名残が鈍く光る。

彼らは言葉を発さない。記憶もない。それでも、地下に現れる異形の怪物を見つけると、まるで古い約束を果たすように、無言で立ちはだかる。100年前の大災で力尽きたはずの戦士たち。


彼らが最後に膝をついた瞬間、異様な陽光が骸を包み、気がつけばこうして地下に「在る」ようになっていた。誰かが語ったことがある―――。


遠い昔、Braveの街角で、みすぼらしい孤児たちが処刑台に並べられていた日のことだ。その時、豪奢なローブを翻して現れた男が、執行者たちの前に立ちはだかった。Peacefulの外交官——後に“教皇に次いで国を代表する占い師”と呼ばれる男の父。


彼はゆっくりと手を広げ、静かに、しかし力強く言った。


「ちょっと待ってくださいよ。こんなに必死に生きようとしている子たちを……見てください。この眼差し。それぞれがそれぞれの光を持っている。眩しいくらいだと思いませんか?」


執行者たちが顔を見合わせる中、男は一歩踏み出し、微笑んだ。


「この子たちは、きっとBraveの未来を担いますよ。……もし見逃していただけるなら。Peacefulは約束します。あなたたちが危機に瀕した時、必ず助けに入ると」


執行者たちは沈黙した。

外交官は懐から小さな徽章を取り出し、そっと差し出した。


「これを、危機の時にPeacefulの教皇様へ。必ず力になりますから」


その言葉が、孤児たちの人生を変えた。

彼らは戦士として成長し、大災ではPeacefulの民を守り抜き——そして骸となってなお、その約束を守り続けている。


紡がれる約束。

積み重ねられる平和への願い。

それは父から子―――星の兄弟達にも。

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