幸せですか?

海月ともね

プロローグ: あの日の広告

「今、幸せですか?」そんな広告に目が止まった。俺はそこそこの大学を卒業後、普通の会社に入り、毎日のように電車に乗り、家に帰るという生活を繰り返していた。このテンプレのような人生。何も楽しくない。生きる意味もわからなくなるような毎日の繰り返しだ。俺には夢があった。そう、漫画家になることだ。小さい時から漫画という世界にハマり、中学高校とよく書いていた。その夢を捨てきることはできず、その広告を見た日に会社を辞めた。その後の日々は、自分で描いた漫画を持ち込みしていた。その持ち込みに行くために、原稿を抱え、電車に乗り、打ち合わせのオフィスまで行っている途中だったその時、ある記憶が蘇った。


いつも俺のすぐ隣には宮部颯来がいた。彼はいつもたくさんの友達に囲まれていた。それもそのはず。彼はいつも成績はトップで、運動神経も抜群のいわゆる一軍男子だった。そんな彼が俺にかまってくれていたのも不思議なぐらいだ。彼と会ったのは、もう、十四年前か。彼とは近所の公園で出会った。彼は引っ越してきたばっかりだったころ、街を歩くだけでも声をかけられるほど顔とスタイルが抜群だった。俺には関係ないとずっと思っていたが、ある日突然あいつは俺の世界に飛び込んで来たんだ。

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