鬼攫(きさら)

たぬ川たぬ吉

第1話 駅に降り立つ

プシュー・・・ガ・・カタン・・・ヒィーーーン

背後で扉が閉まり、電車の発車音がした。


ナニ?ココハドコ?


周りを見渡す。暗い、暗い。・・・古い駅?

屋根や壁、壁際のベンチが全て木製。そして視界の端に映る柱も当然木製で、汚れた白いペンキがところどころ剥げている。

頭上の蛍光灯がヴーンという低音とともに周りを照らしている。陽が完全に落ちているのだろう、遠くなんてほとんど見えない。

広めの駅のプラットホームのように見えるが、見覚えはない。

しばらくの間、ぐるぐるぐるぐると周りを見回しているうち、もう一つの違和感に気づく。

「なんでこんなに音がしないの?」

喧騒はおろか羽音一つ、生命活動を感じる音が一切聞こえない。


不意にカバンを持っていることに気づく。

カバンの中をあさって見つけたスマホのロックを解除し、電波状況を見る・・・圏外だ。

田舎っぽいとは言え、静かすぎる。

私は壁際のベンチに座り、ため息とともに不安が声として漏れる。

「・・・あーもう。意味分かんない。なんで?なんでこんなことになったの?」

ため息を吐いたら少し落ち着いた。


にしても、どうしてこうなったんだったっけ?

あの2人と遊んでたところからかな・・・。

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