社会的に成功していた一人の男性が、ある出来事をきっかけに少しずつ立場を失っていく様子を描いています。
“たった一度の傲慢な判断”が、その後の人生にどう影を落とすのかを描いた、現代ドラマ。
主人公は、自分では有能だと思っている男。
仕事もできる、結果も出している、だから多少のことは許される――そう信じて疑わない。読んでいると「いるいる、こういう人」と思わされます。
SNSや数字、肩書きといった現代的な要素が自然に組み込まれていて、どこか他人事では読めません。
人のことをどうこう言えるような人間ではありませんが、自分は自分でまじめに生きて行こうと思いました。
主人公、霧崎唯人はエリートエージェントである。営業の仕事をしているため、定休日はないのだが、今回の契約を取れれば、婚約者とデートをすることができるらしい。
エリートらしく、彼は今回の契約を成功させるため、たゆまぬ努力を続けていた。そのため、すべてにおいて抜かりない。しかし、彼は最後の詰めまで油断をしないようにするのだが——といったお話です。
私が本作を読んで心の底から尊敬するのは、作者様のキャラクター作りの上手さです。本作は主人公の心情を丁寧かつ大胆に描写されており、「こういう人いるよなぁ」と、納得してしまいます。
そして、その主人公の性格や心情が大きく物語を動かすため、物語の構成が素晴らしいな、と思いました。
現代人間ドラマの傑作です。ぜひ、ご一読ください。