第2話 三人目の子供

一年前。


11歳になった今、

ジャスパーは、3年前の出来事を思い出していた。


あれは、ジャスパーが8歳の時——


里親を生業にしていた、ジェームズの家にエディがやってきた。


里親とは、名ばかりで、市からの助成金目当てだけで、身寄りのいない子供を引きとる——

愛情はもちろん食事もまともに与えない卑劣な男だ。


エディは、最初からおとなしい子だった——

泣きもせず、笑いもせず、

ただ、こちらを見上げていた。


「ジャスパー」

「ジャスパー!」


エディが話しかけてきた


ジャスパーは、はっとして現実に引き戻され、返事をした。


「どうした?」


「今日、新しい子が来るらしい…」


ジャスパーとエディは目と目が合う——


エディが口を開いた


「……その子、泣いてなきゃいいな」


「そっか、なんかクソ野郎がそんな事言ってたな、そいつも可哀想に」


ジャスパーの言葉を聞き、

エディも沈黙した——


二人は、養父に命じられていた掃除を黙々と続けた。

物音ひとつ立てれば、何が起きるか分かっていた。



玄関のドアが開いた、


「おい、お前ら、こっちに来い!」


ジェームズのいつもの乱暴な言い方だ。


ジャスパーとエディは、玄関に向かう——


ジェームズの隣には、ブラウン色の髪と同じ瞳の少女が立っていた。

少女は、何も言わず、こちらを見ていた。


(!)


(守らなきゃいけない)


直感でジャスパーは、そう思った——。

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