セント・クロウに眠る、三つの祈り
昇華
第1話 いつもの草むら
ヴァルデン合衆国の最大都市、
セント・クロウ——
町外れの草むらで、三人の子供が仰向けになり、並んでいる。
右端の少年は、顔中、青あざだらけだ、
今しがた出来た傷もある…
気の強そうな眼差しをもつ12歳の少年の名はジャスパー。
「ジャスパー、大丈夫?痛くない?」
いつものように、養父に殴られたあとだった。
左端の少年が、心配そうにジャスパーに声を掛ける。ジャスパーより3歳下の穏やかだが利発そうなエディだ。
「ハッ!こんなのなんてことないさ!
あのクソ親父、今に見てろよ!」
「…………」
三人とも黙り込む
「僕たち、このままここに居て、どうなるのかな…」
エディが不安気に言う。
二人の少年の真ん中で寝そべる少女はエディの1歳下。
リリーは、終始黙ったまま、二人の話を聞いていた。
「俺が金を稼ぐから!
お前たちは俺が養ってやる!」
「…どうやって稼ぐんだよ、子供なのに…」
「稼ぐって言ったら稼ぐんだよ!」
エディがクスクスっと笑う…
「ジャスパー…いつもありがとう。」
「なにがだよ?」
「ううん、ただ、ありがとうって言いたかっただけ。」
「なんだよ!変なやつだな!」
ジャスパーは少し顔を赤らめる
「私も……私も、いつもありがとう……」
リリーが小さな声で言った。
三人、それぞれ、同じ空を眺めていた。
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