魔王の呪いで男が絶滅した異世界に召喚されて~無能だと思われてたハズレチートで極限ハーレムを満喫する~
ナガワ ヒイロ
第1話 ハズレ勇者、再び召喚される
非日常は突然やってくる。
高校三年の夏。朝早くに登校した俺はホームルームまで一眠りしようと自分の席に着き、机に突っ伏して――
視界が真っ白な光で染まったかと思えば、目の前に銀髪青眼の巨乳美少女がいた。
「千鶴サン!! 会いたかったデス!!」
「え? どわあ!?」
銀髪美少女がいきなり抱き着いてきた。
そのあまりの勢いに俺は押し倒されてしまい、後頭部を床に強打する。
ドゴッ!!
人体から聞こえちゃいけない鈍い音が聞こえてきたが、それよりも気になるのは俺にタックルしてきた銀髪美少女だ。
俺は彼女に見覚えがあった。
「もしかして、神崎か?」
「ワタシのこと覚えてるデス!?」
「そりゃあ、去年同じクラスだったからな」
彼女の名前は
高校入学前までは外国で暮らしていたらしく、日本のアニメや漫画が大好きな学校のアイドル的存在で、今は異世界で勇者をやっている。
……いや、言いたいことは分かるよ。
いきなり異世界とか勇者とか言われても意味分からないよな。
あれは去年の夏。
クラスごと異世界に勇者として召喚されて、俺だけハズレチート持ちの勇者だったから送り返された時の話だ。
◆ ◇ ◆
「おお、勇者たちよ!! どうか悪しき魔王を倒して我らを救ってくれ!!」
俺の名前は
容姿はまあまあ、運動はそこそこ、勉強もほどほどにできる、今日も今日とて変わり映えのない日常を送る平凡な男子高校生だ。
ある日の出来事。
学校の教室でホームルームが始まるのを待っていたら、いきなり視界が真っ白に染まった。
そして、気が付いたら大理石のような材質で造られたお城の広間にいて、目の前には王様らしき人の姿が。
「え、何これ?」
「オレたち、さっきまで教室にいたよな!?」
「何かのドッキリ番組とか?」
困惑するクラスメイトたち。
一部の生徒は「異世界召喚ヒャッハァー!!」と大喜びしてるけど……。
「あの、ここはどこですか!!」
クラスのリーダー、イケメン学級委員の
頼りになるね。
王様は宮辺の問いに対し、どこか大仰に振る舞いながら答えた。
「ここはパンデルシアという、人と魔物が争い合う世界だ。そなたたちにとっては異世界だな」
「異世界……」
「うむ。そして、そなたたちは悪しき魔王を倒すために召喚された勇者なのだ」
「オレたちが、勇者!?」
まじか。えー、今時ここまでベッタベタな異世界ファンタジーとかあるのか。
「な、なんか、わくわくしマス!! 千鶴サンもそう思いまセン!?」
「神崎、異世界ファンタジー系のラノベ好きだもんな」
「ハイ!!」
俺の隣で銀髪巨乳の美少女が目をキラキラと輝かせている。
彼女の名は神崎ハミリア。
アニメや漫画が好きな女の子で、最近は特に異世界ファンタジー系のライトノベルにハマっているらしい。
俺もそういうジャンルが好きで気が合い、たまたま仲良くなった。
神崎がビシッと手を挙げる。
「ハイ!! チートスキルはもらえるデス!?」
「チートスキル? よく分からぬが、そなたらは召喚されると同時に特別な力を得たはずだ。その力を鑑定しよう。ハーゲン、後は頼むぞ」
「はっ、仰せのままに」
王様に名前を呼ばれて前に出てきたのは、フードを深く被った老人だった。
おお、老魔法使いって感じの老人だ。
「はじめまして、勇者の皆様方。儂は宮廷魔法使いのハーゲンと申します。これから皆様の持つ力――
「聖章?」
「おや、まだ気付かれておられぬようですな。皆様、右手の甲をご覧なされ」
「右手の甲……?」
老魔法使いに言われて手の甲を見ると、そこには幾何学的な紋章があった。
「な、なんだこれ!?」
「それこそが聖章、聖なる紋章ですじゃ。異世界から召喚される者たちに与えられし力の結晶、その形を見れば能力が分かりますじゃ」
老魔法使いがクラスメイトの手の甲をまじまじと見つめる。
……手相占いしてる人みたいだな。
しばらくして、老魔法使いは思わずといった様子で感嘆の声を漏らした。
「ほほう!! 貴方の聖章には身体強化や剣術の上達速度を上げる効果があるようですな。いわば【
「ほう、それは頼もしい!! 魔王軍との戦いでも活躍できるであろう!!」
「え、いや、あの。オレたちまだ引き受けるとは――」
「ハーゲン!! 次の勇者を鑑定するのだ!!」
宮辺の言葉を遮るように王様が命令し、老魔法使いが次々とクラスメイトたちの聖章を鑑定していく。
「こ、この聖章は!! 魔力超上昇効果、魔法習得速度倍化、詠唱破棄の聖印!! 間違いない、【
「ワタシ、凄い能力デス?」
「凄いなどという言葉では表せませぬぞ!! この世界で勇者召喚は百年に一度の周期で行われておりますが、【
「わーお!! 千鶴サン!! ワタシ、チート能力持ちみたいデス!!」
「よかったなー」
そして、最後に俺の番がやってきた。
「む。むむむ……この聖章は……」
「え? もしかして俺もチート能力持ちだったりします?」
「いや、これは……しかし、間違いない……」
老魔法使いは俺の聖章を見てしばらく唸り、やがて難しそうな顔で頭を上げた。
そして、とても言いづらそうに告げる。
「これは精力無尽蔵化、性欲超上昇、陰茎巨大化、魅力超上昇、床上手、まぐわった相手の好感度超上昇の聖章ですじゃ」
「……はい?」
「名付けるならば、そう――【
いや、はあ!?
「ぶっ」
「!?」
クラスメイトの誰かが吹き出して、一気に笑いが巻き起こる。
「ぎゃはははは!! まじか!! エロ能力じゃねーか!!」
「ちょっと羨ましいなオイ!!」
「女子は気を付けろよ!! エロいことされるぞ!!」
「おいコラ、小学生みたいな弄りやめろ!!」
馬鹿にしてきた男子たちを追い回すと、ある人物が声を上げた。
神崎だ。
「皆サン、笑うのよくないデス!!」
「か、神崎……」
「たしかに千鶴サン、よくワタシのおっぱい見て前屈みになってマス!! むっつりスケベデス!!」
「神崎? 神崎さん!?」
「でもとっても親切で優しくてカッコいいデス!! 笑うのよくないデス!!」
本人は擁護しているつもりだろうが、むしろダメージになってる件。
と、その時だった。
俺の聖章の効果を聞いた王様は「ちっ」と舌打ちして一言。
「その無能勇者は必要ないな。元の世界に送り返せ」
「ええ!?」
「極めて珍しい聖章ゆえ、惜しい気もしますが……了解ですじゃ」
「ちょ、待っ――」
老魔法使いが呪文のようなものを呟くと、異議を唱える間もなく俺の視界は真っ白に染まり、気が付くと教室で目を覚ました。
これが去年の話、俺の一回目の異世界召喚だった。
俺だけ元の世界に帰ってきた後は大変だった。
だってクラスメイト三十九人がいきなり行方不明になったのだ。
当然、世間やメディアは失踪事件だの拉致事件だの根も葉もない噂が飛び交った。
……まあ、拉致事件というのはあながち間違いじゃないかも知れないが。
とにかく言いたい放題だった。
酷い時は唯一無事だった俺が犯人ではないか疑われるほどで、俺を含めた周囲の人が心ない誹謗中傷をされることもあった。
そのせいで俺の両親は気を病み、一家離散。
一応俺は父に引き取られたものの、顔を合わせるのも嫌なのか、小さなアパートを与えられてそこで一人暮らし。
人の噂も七十五日と言うが、ネットが普及した現代ではなかなか騒ぎが収まらず……。
俺の人生はめちゃくちゃだった。
だからこそ、二度目の異世界召喚はある意味ラッキーだったのかも知れない。
「お願いデス!! 千鶴サン、助けてくだサイ!!」
「え、あ、おう!! 分かった!!」
「ありがとうございマス、千鶴サン!!」
銀髪青眼の巨乳美少女に『むにゅ♡』と柔らかいおっぱいを押し当てられながら助けを求められて断る男がいるだろうか。
いや、いない。
―――――――――――――――――――――
あとがき
ワンポイントキャラ紹介
結川千鶴
クラスに必ず一人はいる、特定のグループには属さないものの、誰とでも話せるコミュ力強者。お尻よりおっぱい派。作者がなりたかったタイプの人種。
「美少女と仲いいの羨ま妬ましい」「これはハズレチートw」「何気にヘビーで草」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
次の更新予定
2026年1月18日 00:00 毎日 00:00
魔王の呪いで男が絶滅した異世界に召喚されて~無能だと思われてたハズレチートで極限ハーレムを満喫する~ ナガワ ヒイロ @igana0510
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