舞台はセキュリティ万全のマンションの12階。そこにシングルマザーの美咲は幼い息子と住んでいた。
丑三つ時に差し掛かろうとする深夜1時56分。その時間になると必ずチャイムが鳴るという。
モニターには何も映らない空白の闇が落ち、平穏と安全の心の拠り所は次第に侵食されていく。
脅かされる日常に背中を押され、じわじわと見えない存在が脳裏を焼く。
別れた夫とその存在の可能性を探るも、すべてがすり抜けるように否定されてしまう。
今夜も響く――1時56分の緊張。
大丈夫、最後のセキュリティが残されている。
それが心の安定のすべてだった。
でもそれを越えられたら……?
『ピンポーン――』
もうモニターを見ることはできない。
主人公の伊東美咲。彼女は息子の浩平と二人でくらしいる。
半年前、夫の忠弘が浮気したせいで離婚していた。
そんな家にある日、だれかがきたらしい。
このマンションは、不在時に誰かが来た時にインターホン前を録画し、通知する仕組みになっている。
そして録画を見てみるのだが、おかしなことにだれもそこにいない。
いったいインターホンを押したのは誰なのか……。
得体の知れない不気味さがとてもよかったです。
また、謎の人物がだんだん近づいてきているのが怖くてすばらしかったです。
いろいろわからないこともまだありますが、そこが想像の余地があってよかったです。
一話一話が短いし、サクッと読めるので、是非ご一読を。
最近は防犯技術も向上し、
マンションのセキュリティー性能も上がってまいりました。
ですが、『鉄壁の城にいる』という安心感が、恐怖に変わる時の絶望たるや……
物語は1日おきに進行しておきます。
シングルマザーである主人公は、一人息子とこの、セキュリティーが万全のマンションで暮らしております。
文字通りセーフハウス。この守りなら、女性と子供でも安心して暮らしていけそうでした。
しかし、それでも不安や不条理は我々を離したりはしないのです。
深夜1時56分にインターホンが鳴るようになりました。
しかし、モニターを見ても誰も写っていないのです。
ハテ? こんな時間になんの用事が……?
そしてそれは1日だけのことではありませんでした。
毎日、毎日深夜の1時56分にインターホンが鳴り、やがてこの事案に一人息子も巻き込まれていくことになります。
『守られている』と言う前提。
これが覆った時の絶望感。そして恐怖。
ご一読を。