駄目な精神科医

真田直樹

第1話

第1章

白衣が似合わない男

桐島は、自分が精神科医に向いていないことを、誰よりも早く知っていた。

診察室の椅子に腰掛けるとき、彼はいつも少し遅れる。

カルテを開く手は迷い、患者の言葉を聞き逃すことも多い。

沈黙が訪れても、適切な質問を即座に差し出すことはできない。

それでも彼は、患者の顔を見ていた。

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駄目な精神科医 真田直樹 @yukimura1966

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