最強、無双、脳筋な自称女探偵はなんでも力で解決する!

桜井悠人

第1話 剛力事務所

「案件一件につき五万円!?」


 大学二年のオカルト研究会に所属する神代篤紀かみしろあつきことアッキーはその貼り紙に驚く。


「そんな上手い話がある訳無いだろ〜」山田薫やまだかおること部長も訝しむ。


「でも、もし本当なら凄い金額だよ?」細井峰央ほそいみねおことブータンは乗り気だ。


 とりあえず、三人は行くだけ行ってヤバければ逃げる算段で応募してみる事にした。

 指定された事務所らしき建物のチャイムを鳴らすと家政婦らしき人が応対してくれた。


「家政婦のアリスです」


「え~と三人で応募した……」


「山田さん、細井さん、神代さんですね?」


「はい……」


 まだ油断してはイケない。所長は実は組長でした〜なんて事もありえる。逃げる準備を整えながら、三人は事務所に入った。


 中では女が音ゲーをスマホでしており、時折苛ついた顔を見せては遊んで居る。


「もー飽きたわ。アリス、お茶」


「はい」


「でアンタ等は誰?」


「え~とアルバイトに応募した……」


 三人かと女はつまらなそうに一瞥すると、所長の剛力珠子ごうりきたまこと名乗った。


「採用!」


「えぇ!まだ何も……」


「面倒だから良いじゃない呼ぶのも面倒だから、あだ名とか無いの?」


「僕はアッキー、部長にブータンです」


「じゃあ三人組!早速、仕事!このアタッシュケース持って出るわよ!」


 三人は早速、仕事と謎のアタッシュケースに危険な香りを感じて居た。


(ヤバくない?)


(麻薬とか?)


(ヤバくなれば逃げるぞ)


 そして車に積み込み、ひたすら山道を行く内に深夜に成って居た。


(絶対ヤバいよ!)


(死体か!)


(次は俺達か……)


 しかし、この剛力珠子は綺麗だ。腰まで届く髪をポニーテールにしてグラマラス、肩が出たシャツにネクタイをして居る。若干、見た目で大丈夫かなとアテを付ける。


「さあ、アタッシュケースを持って!ここからは歩きよ!」


「重い〜!」


「中身なんです?」


 その答えを珠子は言わない。するとまた不安に成って来る。珠子が「ここで待て」と指示すると、空からUFOが降りて来た。未知との遭遇だ。だが胡散臭い。そのUFOにはネコミミが付いて居たからだ。


 珠子が早速、猫専用の翻訳機……一時期流行った奴だ。それを取り出す。


 UFOの中からネコミミが付いた宇宙服の者が現れると早速起動する。


「アォアォ!」


「え~とおはよう……はいはいニャンダラー!」  


「ニャウニャー!」


「オヤツ寄越せ……今回はこれだけで!」


 珠子がアタッシュケースを開けると中身は金塊だった。それと交換に何やらフワフワと小型の猫型冷蔵庫みたいな物が降りて来る。


「アォアォ!」


「はいはいニャンダラー!またよろしく!」


 いきなりの未知との遭遇に質問が止まらない。


「アレなんすか!?」


「何ってニャンダー星人よ?」


「サラッと言ってますけど金塊と交換したのなんすか!?」


「通称ニャンダリウム合金、金の千倍価値があるわ」


 そんな馬鹿なと三人は驚愕するが、ふと容器を開けて猫型の金太郎飴みたいな物を渡してくる。


「これが金の千倍……」


「一本下さいよ!」


「あげたとして、何処に売るの?」 


 こんな馬鹿げた品物買う人間は居ない。売る販路があってこそ儲かるのよと、珠子は笑う。


「じゃあ今回の報酬ね」


 金の千倍からしたら雀の涙だなと三人は思ったが、それでも一人五万円なので我慢した。



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