道の駅みちくさ ~田舎村に現代ダンジョンができたので村おこしスローライフやったります~
滝川 海老郎
第1話 ダンジョン、ダンジョン!
俺は
東京の大学卒業後、そのままIT会社に就職していたが、無理がたたって体調を崩してそのまま退社。
田舎のG県清見村に戻ってきた。
ほそぼそと実家で、ホームページ作成の仕事を前の仕事仲間からテレワークで受けて、じいちゃんとばあちゃんの畑仕事を手伝っていた。
そんな折、村に、国道63号バイパス東海縦貫道が完成、南北の行き来がめっちゃ楽になった。
そして話はどんどん進み、ここに村唯一の道の駅「みちくさ」の建設計画が持ち上がった。
タイミングを合わせたように、うちの家の裏庭つまり私有地に現代ダンジョンが見つかった。
近年、このような小さなダンジョンは世界各地に見つかっており、資源化されている。
このダンジョンも国の冒険者ギルドが調査を行い、特に問題がないようだった。
「俺、冒険者登録するわ」
「ほー、トオルもやるきになっただね」
「まあな」
「やっとなんていったかのう、ニートだったかな」
「ニートちゃうわい。ちゃんとテレワークで仕事してるって」
「そうだったかねえ」
なんにせよ、俺は立ち上がったのだ。
この辺境の清見村を発展させちゃる。
ということでバイパスを走って町に遠征、大型店で支度を済ませる。
「まあ、こんなもんか」
「もう、トオルさん、頑張っちゃって」
「おっと、ポーションも買ってと。今回は万が一があるかもしれんからな。中級ポーションだな」
「気合い入ってますね」
「まあな」
一緒についてきてくれるのは口宮レミちゃん、22歳。
大学で名古屋にいっていたのだが、卒業してUターン、村の発展を願って戻ってきた。
小さなツインテイルが可愛らしい。
道の駅みちくさ、実行委員会のメンバーの一人だ。
俺も若いもの代表として入れられて、その会議で出会ったという。
まあ、ロマンもくそもないが、若い代表の俺とレミちゃんはなにかと行動を共にすることが多い。
今回、道の駅ができることになるきっかけの一つが、バイパスの開通だったが、ダンジョンの資源もあてにされていた。
この清見ダンジョンは今のところ、俺の私有地なので、俺んちの個人資産だ。
調査が終わり、3級ダンジョンとして認定されたばかり。
これから利活用を考えるという段階なのだ。
俺の運転で家に戻ってきて、レミちゃんと二人で装備を固める。
「んじゃ、入りますよ」
「ラジャーです。先輩」
「おおう、んじゃ、清見ダンジョン、入場、13:25と打刻と」
ダンジョンの入出記録は国の法律で決まっている。
入り口のバリケードの鍵を開けて中に入る。
そこは一面……薬草畑だった。
ダンジョン一階、俺たちは薬草フロアと呼んでいる。
スライムがあちこちにおり、ダンジョンらしいが、薬草がびっしり生えている。
高原の牧草地みたいな雰囲気というのだろうか。
天井は見えず、青空が広がってるのも不思議だ。
下草を踏みながら、歩いていく。
「ルフラン草だな」
「そうですね。このハート形、かわいいです」
「だね」
そうやってニコリとするレミちゃんのほうが可愛らしいが、そういうことは言わないでおく。
薬草を採れるだけ採って、マジックバッグに入れる。
このマジックバッグもダンジョンができてから普及するようになった謎仕様だが、研究者も原理については頭を悩ませている。
でも使えるもんは使おうという国の方針だ。
魔蔓、マツル草のツルで編んだ麻袋みたいなものなのだが、なぜか中身に空間圧縮の効果がある。
重量軽減にもなっているようで、まさに持ち歩く際にはとても助かる。
もう少し奥に行くと、このマツル草もたくさん生えていると思われる。
調査結果は隅々まで目を通したからな。
なんたって、この清見ダンジョンは金のなる木だ。
ルフラン草を採れるだけどって、そしてマツル草も別のマジックバッグに入れる。
今度はレミちゃんに持ってもらおう。
「ていやー」
「おおう」
「うりゃああ」
「おうおう」
スライムを見つけると、こうして倒していく。
このスライムの残り、魔石とゼリーも袋につめて持ち帰る。
透明なスライムゼリーはまるで水まんじゅうのようでプルプルしており美味しそうだ。
なにかに活用できればいいが、さて。
「なかなかいい冒険でしたね」
「ああ、薬草採ってスライム倒しただけだけどね」
「そうですね。でも楽しかったです」
「ああ、同意だ」
こうして俺たちのはじめてのダンジョン探索は無事に終わった。
ダンジョンも新鮮だったが、レミちゃんと行動するのも楽しかった。
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カクヨムコン11短編参加作品です。
1万文字制限があるので、6話、9000文字ちょいで仮完結となります。
よろしくお願いします。
次の更新予定
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