かつて大妖という怪物が現れたこの世界では、人類は塔と地底とに分かれて大妖から逃げ延びることとなった。
塔に登った人間は天井人と呼ばれ、高い生活水準の中で暮らし、地底に潜った人々は土竜と呼ばれ、畑仕事と地下住居の維持という貧しい生活をよぎなくされる。
互いはそれぞれの生産物を必要としており、共依存関係にあったのだが、ここ近年は関係性が悪化。天井人からの要求は負担が増すばかり。
土竜として生きる竜兵は、仲間のことを案じ、天井人と対等に渡れるよう、一生懸命に働くのだが、その結果は思わぬ方へと向かっていくのだった……。
カクヨムを読み始めてもうすぐ二年の身ですが、ここまで重い展開の物語は初めてでした!
竜兵の信念と行動、全くもって間違いだとは思いませんでした。
しかし、竜兵の選択は、その思惑と裏腹にとても苦しい結果を招くとこに……!
東京下町のような人情身溢れる竜兵の視点から描かれる展開はとても読みやすく、それ故に油断していると胸に重い一撃をくらってしまいます!
しかし、ライトな物語が多い(と思われる)ネット小説界隈において、この物語からは他に類を見ない重い読書体験が味わえました!
これからお読みになる方々、くれぐれも御注意を!
妖が跋扈し、太陽なんて拝めない。
夜中に荒廃した大地を耕し、地中に眠るモグラ。
下界に見切りをつけ、そびえる塔に住まう天井人。
世界の上下に逃れた彼らは、居住域の通りの格差が存在する。
天井人からすれば、モグラなどはヒト型の獣。恐れるに足りない。
いくら年貢を上げようが、さらに地下へ押し込もうとしようが、思いのまま。
絶望的なまでに分断された世界で、モグラの竜兵は生きる。
太陽が恐ろしい理由、塔という未知。
知るのか、知ろうとしないのか。行くのか、行かないのか。
仲間内も一枚岩ではなく、その交渉にも常に選択を迫られる。
一度決めたら最後、後戻りはできない。
続く選択肢は、下した選択の結果なのだから。
ライトな話ではない。
読むかどうかも読者の「選択」。
読むとしたら、考えてみるといい。
本作で描かれる、一つの未来像。
そこに至るための分岐はどこなのかを。
妖のせいで地上で人間が生活できなくなった世界。残った人間は塔に上って生きる者と、地下に潜って生きる者とに分かれた。
「モグラ」と呼ばれる地下の人々は、塔の「お上」に搾取される日々。
そんな中で、モグラの竜兵は思いもよらない「選択」をすることになる。
選択には結果が伴う。しかし、どんな結果になるかは、選択しなければわからない。
当たり前のことだが、これが実に難しく、辛いことである。
時に、誰かの選択が誤っていたと責める者がいる。
だがそれは、結果が判明したからこそ言えるもの。選択の時点では、何が正しい、何が間違いなどというものはわからないのだ。
そんな当たり前のことが、当たり前であることが辛くなる物語。
ご都合主義の展開など期待したら、読んでいられない物語。
でも、読み進めてしまう。選択の果ての、結果を知りたいから。
「読む」という選択をしたあなたへ。その果ての結果は……きっと、衝撃的なものです。
過酷すぎる環境の中では『選択すること』が非常に大きな意味を持つ。
本作はそんな「人が人として生きるのが難しいような世界」の中で、必死にもがいて苦しみ続ける主人公の姿がとにかく鮮烈でした。
「土竜」と呼ばれ、地上で貧困生活を送る竜兵たち。彼らは「妖」と言われる怪物を狩ることで日々の暮らしを続け、ゴミに囲まれたようなスラム生活を続けていた。
彼らの住む世界には「塔」があり、そこに住む「天井人」たちは土竜よりもずっと上位にいるとされる。
そんな天井人たちが地上に降りてきたことで、事態が少しずつ……。
本作ではとにかく「選択」によって事態がどんどん動くことになっていきます。
ただし、「良い結果」を生み出せる選択肢は存在しない。
あるのは「どっちなら我慢できるか」、「どっちがまだマシか」というもの。
竜兵たちの身の上には、目を覆いたくなるような「最悪」な出来事が次々と起こる。その度に自分がどこで選択を間違ったのかと竜兵は苦悩することに。
苦痛に満ちた生を選ぶか。それとも潔く死を選ぶか。そんなことすら頭をよぎるような過酷な境遇。
そんな理不尽に必死に抗いながら、竜兵が最後にどんな結末を迎えるのか。
終始感情を揺さぶられっぱなしの強烈で濃厚な物語です。意外性あり、二転三転する感じありと、重厚な物語を求める方は是非とも手に取ってみてください。
方程式を解く。
簡単なことだ。
答えはある。
=を間に挟んで、左辺と右辺。
たすき掛け、代入。
ただ、パズルを解くだけ。
そんなの、猿でもできる。
けど、SB亭方程式。
コレは解けない。
このお作品、第1話にして、クライマックス。
そう、答えが示されている。
そのクライマックスを迎え、主人公、竜兵は走馬灯のようにこうなった経緯を思い浮かべる。
我々は、その走馬灯を追いかけるのだ。
答えを知ってるのに、なかなかその答えに結びつかない。
難解なパズル。
右辺はわかっている。
そして、左辺の部品も、イッパイ持っている。
だけど、組み立て方がわからない。
さあ、あなたもこのパズルに挑戦してみよう。
パズルは、解くことが楽しいんじゃない。
『解く過程』が楽しいのだ。
いきなり、答えを見せられても、
あっそ🙄
である。
解く過程があって、その解にたどり着いたとき、そこにたまらない感動がある。
選択と、結果。
このお作品の中で、主人公、竜兵はことごとく、選択ミスを犯す。
そして、ドツボにハマっていく。
そして、我々の知るクライマックスという結果につながる。
そして、その先のクライマックスの向こうがまだ、見えない。
選択ミスの繰り返しがあって、たどり着くクライマックス=結果
そこにあるのは、
絶望なのか、
それとも···
ぜひ、お読みいただきたい🤗⭐✨