第21話 応接室

応接室の中央には、

2つのソファーが

膝までの高さのテーブルを挟んで

置かれていた。

私達はそのソファーに

向かい合って腰を下ろした。

「すごいところだね」

私が言うと小鳥遊は小さく頷いた。

「ええ。

 でも少し不安」

「不安・・?」

小鳥遊の言葉に私はドキッとした。

「何というか。

 上手く説明できないんだけど。

 建物の外観は

 人を拒絶しているように見えたのに、

 中に入ると真逆の印象だったから・・」

「真逆?」

小鳥遊は頷いた。

「部屋にも廊下にも窓がないでしょう?

 唯一。

 窓のある2階の廊下からは、

 中庭が望めるだけ。

 まるで中に入った人間を

 外界から隔離するぞっていう

 意志を感じたから・・」

そして小鳥遊は両腕を抱いて身を竦めた。


外界から隔離するぞという意思。

それは一体誰の意志なのか。

私がその疑問を口にするより先に

小鳥遊が続けた。

「ごめんなさい。

 折角誘ってくれたのに、

 水を差すようなことを言って」

「ううん。

 よく考えたら、

 たしかに変な建物だよね。

 さっき部屋で確認したけど

 ネットに繋がらないんだよ、ここ」

「車を降りた時から繋がらなかったから、

 この辺り一帯は

 電波が届いてないのかもしれないね」

私はうんうんと頷いた。

「それよりも。

 私、大烏さんという方には

 お会いしたことがないのに、

 いいのかな?」

「大丈夫!

 マスターも言ってたけど、

 大烏さんは女性には甘いから!」

そう言うと小鳥遊は

口元に手を当てて笑った。

「小鳥さん、

 あのね・・ここに来ることを

 誰かに話した?

 例えば笠原さんとかに・・?」

私の言葉に小鳥遊は真顔になると、

躊躇いがちに口を開いた。

「実はね・・。

 私・・あの人とはひと月前に別れたの。

 と言っても、

 私が一方的にフラれたんだけどね。

 でも。

 今考えたらそれで良かったのかも」

そして小鳥遊はぎこちなく微笑んだ。

それから。

「はぁぁ」

と大きな溜息を吐いた。

「この際だから結女ちゃんに

 全部聞いてもらおっかな?

 聞いてくれる?」

すると小鳥遊は私の返事を待たずに

話し始めた。

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