第2話: 漆黒の森と女神の再会3
彼女の胸は柔らかく、優しい香りがした。
エルは安心し、心の中で「女神さん、ありがとう。あったかい…」と思った。
アテナは独り言のように話し続けた。
「この森は本当に危険よ。漆黒の森って、古代の魔王の残骸が眠ってるって言われてるの。魔物が強くて、霧で迷いやすいわ。私たちの転生座標がここになったのは、運が悪かったのかしら。でも、生きてるんだから前向きに! エル、あなたの目はキラキラしてるわ。強い子ね。さあ、森を抜けて近くの王都に行きましょう。そこで宿を取って、のんびり生活を始めるのよ」
エルは「ばぶー」と応じ、アテナは笑った。「ばぶー? かわいいわ。あなたは言葉を理解してるのよね。加護で調整したから。話せないのは残念だけど、いつか成長したら話せるわよ。それまで、私がたくさん話しかけるわね」
二人は森を抜けようと歩き始めた。
アテナはエルを抱え、慎重に道を選んだ。道中、木の根につまずきそうになり、「わっ、危ない! 人間の体ってバランスが取りにくいわね。神の時は浮いてたのに… エル、重くない? ふふ、あなたの体重は軽いわ。まるで羽みたい」
エルは心の中で「重いかな? ごめんね」と心配したが、アテナは続け、「いいえ、抱っこしてるのが楽しいのよ。あなたは私の大切な子だもの。異世界で一緒に暮らすなんて、夢みたい。どんな街かな、王都エステリア。聞いた話じゃ、城壁が高くて、市場が賑わってるわ。食べ物も美味しいはず。あなたにはミルクを用意して、私には温かいスープとか… 想像しただけでお腹がすくわ」道中で、小さな川に出くわした。
アテナは水辺に座り、エルを膝に置いて休憩した。「ふう、ちょっと疲れたわ。エル、喉渇かない? 水は魔法で浄化してあげるわ」彼女は手を振って水を浄化し、エルに飲ませようとしたが、赤ちゃんの口では難しかった。「あら、こぼれちゃうわね。ふふ、ごめんね。次は哺乳瓶みたいなものを買おうか」
休憩中、アテナはエルにたくさん話しかけた。感情豊かに、過去の思い出や未来の夢を語った。
「エル、あなたの親御さんのこと、鏡で見たわ。貧しくて捨てざるを得なかったけど、愛情は本物だったわよ。きっと、天界から見守ってるわ。私が代わりにママになるわね。寂しくない? ばぶーって、寂しいって意味? ふふ、違うわよね。あなたは強い子よ。さっきのウルフの件、偶然かもだけど、何か特別な力があるのかも… でも、無理しないでね。私が守るから」 エルは心の中で感動し、「女神さん、優しい… 俺も守りたいよ」と誓った。
アテナは歌を歌い始めた。優しいメロディーで、「♪ 星の光が導くよ、森の闇を越えて… 二人で歩む道は、希望に満ちてるわ ♪」
エルは心地よく眠くなりかけた。
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