ネコミミ少女の勘違い異世界珍道中
maruki
第1話、トンネルを抜けたらそこは、ここはどこですか?
私の名前は、蒼凛(あおいりん)、忍者になるべく修行中です。
なぜ、忍者になりたいかって?
かっこいいからです。それ以外に何か?
その為に、剣道部に入って3ヶ月、やっと基礎を習い始めたばかりです。
毎日、面、胴、小手って素振りを頑張ってます。先生曰く、筋はいいそうです。うれし。
ここは市内の武道館。春の体育大会、今日は先輩たちの応援に来てます、残念ながら、早い時間に終わってしまいましたが、きっと、次があります。頑張って先輩。さあ帰ってアニメでも見ようと思った矢先のこと。
「あ、これ、やば」
視界が、ぐにゃりと歪みます。
私は出口の階段で、見事に足を踏み外し。
普通の女の子ならここで「キャッ」とか言って転ぶんだろうけど、私は忍者(に憧れる剣道部員)だ。ここで無様に転がるわけにはいかない。
「と、ととととと!」
転倒のエネルギーをすべて前への推進力に変える。
加速、加速、さらに加速!
「ととととととと、オットセイ!」
自分でも引くぐらいのスピードが出ている。視界がビュンビュン後ろに飛んでいく。
なんか、○ブリの主人公みたいな走りになって
「ちょ、ちょ、止まんな……ッ!?」
目の前には車道。走ってくるトラック。
私は無意識に地面を蹴り上げた。……じゃ、ジャ〜〜〜ンプ。
(おお、私、飛んでるよ。フライハイだよ〜)
ふわっと体が浮き、トラックの屋根を飛び越える。
「ヒョエ〜〜〜、びっくりした〜」
自分、今、某大泥棒みたいな動きしてなかった? 忍者っぽくない!?
あ、着地
「着地点に・・・池――!? 濡れるぅぅぅ!」
運動公園の池が迫る。
ジャポーン! となるのを覚悟して目を瞑ったその時。
池の真ん中に、黒い穴。
「エ?」
あ。これ、入るやつだ。
予感した瞬間、私はその穴に「スポッ」と吸い込まれた。
「ああああああああああああああ!!!私はおむすびじゃな〜い(意味不明)」
そこからはもう、ギネス記録間違いなしの超ロングスライダー状態。
暗いチューブの中を猛スピードで滑り落ちていく。
お尻が焼けないか心配。
耳元で、誰かの声が聞こえた気がした。
『――条件達成を確認。身体能力値、転移ボーナスにより限界突破……スキルを継承……』
「……うるさーい! それより出口はー?!」
何かがレベルアップしたとか言われた気がするけど、今の私にはどうでもいい。
早く止まって! じゃないとお漏らししちゃう!
「――ッぷはっ!」
どれくらい滑っただろう。
ドサリ、と柔らかい地面に放り出された。
顔面から、草むらにダイブ。
「……いったたた。お尻割れたかも。あ、もともと割れてた」
親父ギャグをかましてみる。
・・・誰もいないよね。ちょっと恥ずかしかった。
立ち上がろうとして、顔をしかめる。
「いた!!」
左の足首にズキッとした衝撃。どうやら挫いたみたい。
周りを見渡すと、そこは武道館でも公園でもなく、見たこともない巨木が立ち並ぶ深い森だった。
「……見たことない森だ」
誰かが言ってた。こう言う時は、こう言わないといけないと。
「・・・マジな話、ここはどこ?」
もちろん、答えてくれる人はいない。
寂しい・・・
なんて、普通のJK予備軍なら不安に思うのかもしれない。
でも、私は違う。
「もしや。転移? ……うん、転移だね。たまにあるよね、こういうのラノベでね」
小学校の通知表に「人の話を聞かない」と書かれた私のメンタルを舐めてはいけない。
とりあえず、今は現実逃避が一番。
「とにかく、早く帰らないと。お母さんに怒られるし、今日の晩御飯ハンバーグかもだし」
えっと、案の定、携帯は圏外、Wi-Fiも繋がらない。
一応、カバンと竹刀袋は、そばに落ちてた。
よいしょ、と立ち上がろうとした。
けれど、捻った足が言うことを聞かずに、再び地面に転がってしまう。
コロコロ転がることはない。どんぐりじゃないから。
「あぅ……。湿布、なかったかな〜?……」
情けない声を出した、その時だった。
近くの茂みが、ガサガサッ! と大きく揺れた。
(……え。まさか、不審者? 変質者!?)
私は咄嗟に、愛用の竹刀袋(中身は素振り用の重い竹刀)をギュッと抱きしめる。
茂みをかき分けて姿を現したのは、果たして――。
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