父とのLINE

『滝川さんて覚えとる?

 うちの家を買って会社建てた人』

『ああ 去年死んだ』


『その人の息子さん知っとる?』

『知っとる 大学出て東京で就職したけど

 戻ってきてから引きこもっとる

 親父の葬式にも出てこんかった

 お前も小さいとき 会ったことあるぞ』

『どこで』

『うちもあそこも◯◯◯◯◯クラブに入っとったけ

 親睦会で』

※魚崎注:自営業者がよく入る社会奉仕活動系クラブ

『覚えとらんわ』

『お前薄情だけえな』


『滝川さんの会社 息子さんが継がんかったの?』

『できらせん 出来のええ従業員が継いだ

 うちんことをうらやんどったわ 

 子どもがまともだ うちのはクズだて

 うちの会社はお前が継ぐと思っとった』

『継がんわ』


『なあええか

 これから裁判所いかないけん

 競売のんで呼び出されとってな』

『もうええ加減にしてよ

 私だっていつまで尻拭いできるか分からんのよ』

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