路上占い、あれこれ167その4余談【占い師は天敵がいる】

崔 梨遙(再)

一口サイズの 478文字 です。

 よくいく喫茶店には、73歳の天敵婆がいます。



 これは数年前のお話で、まだ天敵は60代でした。その日、天敵は50歳くらいの女性常連客A子さんと、70代男性常連客Bさんと3人で盛り上がっていました。


 Bさんは、よほど楽しかったのでしょう。


『今日はとても楽しかったから』


と言ってA子さんに1万円を渡そうとしました。A子さんは流石に受け取れません。


『いいですよ、そんなの受け取れません』

『いやいや、楽しかったからええねん』

『いえいえ、気持ちだけで充分です』

『いやいや、俺はあんたに受け取ってほしいねん、ここは気分よく受け取ってや』

『そうですか……じゃあ……』


 A子さんは遠慮しながら1万円札を受け取り財布に入れました。


 Bさんが帰り、A子さんも帰りました。天敵は言いました。


『3人で話してたんやから、あの1万円の半分は私がもらう権利があるはずやったのに、A子が1万円を全部財布に入れやがった』


 お怒りの天敵でしたが、いやいや、BさんはA子さんに渡したかったわけで、お前に渡すはずがねえだろ? みんな呆れてましたが、結局、みんな無視しました。



 どこまであつかましいんだろう? 天敵。




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