理想のハンドクリームを探せ!

月代零

手荒れとの付き合い

 私は、一年中手荒れ対策をしなければならないほど、手の乾燥に悩まされている。手荒れ対策と言えば、ハンドクリームである。水仕事なのでそのせいと、体質もあるだろうが、一年中ハンドクリームが手放せない。冬は特に、手入れを怠ると、乾燥して皮膚がパリパリするし、ひび割れやあかぎれに見舞われる。乾燥しすぎると、スマホが反応しづらくなる。難儀である。


 それだけでなく、長年悩まされていることがある。手に謎の湿疹が出ることがあるのである。特に、季節の変わり目に症状が出る。手首や指の関節が痒いなあと思って思わずボリボリと搔いて、見るとぶつぶつと湿疹が出ている。

 特に、季節が心地よい春の陽気から、本格的に蒸し暑くなろうという時、それから涼しさを感じ始めて冬へと季節が移ろっていく時に、症状が著しい。それで、ああもう夏なのだな、あるいは冬なのだなあなどと思う。こんな風物詩いらない。


 何度か皮膚科を受診したが、ステロイドの軟膏を出されるだけだったので、そういうものなのかなあと諦めている。痒み止めなら市販の薬でいいし、皮膚科からは足が遠のいている。


 関係ないけれど、昔、足全体に蕁麻疹が出た時に、当時付き合っていた男に「キモっw」と笑われた。あいつはマジ許さん。


 この湿疹、年と共にだいぶマシにはなったが、子供の頃はもっと症状が酷かった。寝ている間に無意識に搔きむしって血が出てしまい、じきにかさぶたができるが、痒みも収まらずその上から更に引っ掻く――ということもざらだった。今思うと、立派なアトピー性皮膚炎だったのではないかと思うが。


 余談にはなるが、子供の頃、これについて病院に連れていかれたり、何らかの治療を施されたりした記憶はない。「自然派」のハンドクリームなどは与えられていたと思う。母親が「無添加・無農薬」信者だったので、そのせいであったかもしれない。まあ、子供の頃に必要な予防接種などは打っていたはずだし、コロナ禍においてはノーマスク・反ワクチンに染まっているのではないかと危惧したこともあったが、そうはならなかったようなので、そこまで強く何かに染まっていたわけではないのだろう。


 更に余談だが、この症状について、父親には「塩水に浸ければ治る」と言われ、痒みがあって掻き傷もある中、海に連れて行かれたことがある。傷口を海水なんぞに浸けたら痛いに決まっているだろう。子供でもわかることが、あの人にはわからないらしい。あるいは、無視してかまわないと思っていたに違いない。

 そして、嫌がる私に母親も、「お父さんの機嫌が悪くなるから言うことを聞きなさい」と言われた。私の味方はいないのだと思った。両親についてはこの他にも余罪の枚挙にいとまがないが、この件については生涯許すまじと思っている。


 ……思わず毒を吐いてしまった。お詫び申し上げる。


 さて、話を戻そう。ハンドクリームである。


 休憩中と仕事終わり、そして寝る前。少なくともここでハンドクリームが欠かせない。それから料理や掃除をした後など、乾燥していることを感じたら、こまめに塗るようにしている。


 どうせトイレに行ったりして手を洗ったら効果がなくなるじゃん、などと思ってはいけない。こまめにケアすることが大事なのである。


 べたつくのが嫌な人には、さらっとしたジェルタイプが人気だろうが、カピカピに乾燥する民にはあまり効果がない。ハンドクリームを選ぶときに重視するのは、油脂の質である。ヒアルロン酸とかどうでもいい。潤いを与えつつ、油脂でコーティングするのだ。


 多少べたつくのは、この際仕方がない。よくすり込めば気にならないから、頑張って塗り塗りする。購入する際には、成分を吟味する。ワセリンが最強、それにシアバターやカカオバターなども良い。これらを使用している、こってりしたクリームを選ぶ。


 それから、これは個人的な事情だが、香りはなるべく薄いものか、無香料のものを選ぶ。仕事上香りの強いものはNGなのと、猫様のためである。たまに「いい匂い」と思って香りのあるものを買ってしまう時もあるが、その場合も寝る直前以外には使わない。万一、おキャット様に害があっては大変なので。


 色々試して、最近はロ〇ト製薬の青いチューブのものを愛用している。しかし、一つ困ることがある。


 今の寒い時期はハンドクリームの売り場が充実しているが、温かくなってくるとそこは日焼け止めや制汗スプレーの売り場に変わり、姿を消す商品も多い。私が愛用するこの青いチューブのクリームも、なかなか見つからないことがある。待ってくれ、行かないでくれ。私にはそれが必要なんだ!


 仕方なく別の商品を買ってみては、「いまいち……」と思うことが多いので、今度その青いチューブのクリームを見つけた時は、まとめ買いしておこうと思う。他の商品に冒険するのもいいが、ハズレだった時を思うと臆病になってしまう自分がいるのだ。手ごろな価格帯の商品の中では、これが一番いい(個人の感想です)。


 しかし、最近気になる商品がある。「プロ・業務用」と書かれているハンドクリームである。手の潤いを守り、塗った直後に料理しても大丈夫と書かれているが、果たして。値段が一つ千円以上と、薄給の身で手軽に使えるものではないのだが、やはりお値段以上の使い心地があるのだろうか。


 いつか機会があったら、使ってみたい気もする。


  了


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