『死』
昼と夜と宇宙の外と
『死』
ひいじいちゃんがしんじゃった
しんじゃったら、もうぼくとあえない
しんじゃったら、うごけなくなるんだって
じゃあしんだひいおじいちゃんはどうなったの?
さんじまでねれない
ひとりでねれてえらいといわれてたのに
ねれない
ずっとおふとんにいたけどもうだめ
ねれないわるいこでごめんね
しんだらどうなっちゃうの
「ひとはしんだらてんごくにいくんだよ」
おとうさんとおかあさんのいうことをちゃんときけるのはいいこ
またごめんね
ちゃんということきけない
ほんとうにてんごくにいけるのかな
あの夜のことは、ずっとわすれられない
だから友だちに聞いてみた
「人は死んだら『む』になるんだよ。そんなこと当たり前でしょ?」
『む』って、何?
「そんなことも知らないの?『む』っていうのは、何もないことだよ。」
これだ。これが正かいみたいだ。
あれ、じゃあどうすればいいんだろう
本は、意識せずとも、世間のことが知れるから便利だ。
天国のことも地ごくのことも、本で知った。
そして、生まれ変わりとか、転生とかも知った。
でも、この世で最悪のパターンが、死後に待ち受けているかもしれない。
いつもふと思うのは、そればっかりだ
三時まで寝れなかったのはいつぶりだろうか
毎晩毎晩、言い表せない冷や汗が襲いかかる
どこまでも底知れない穴だ
だから祈る
神様仏様、自分の力よりもはるかに大きい力を持つ存在
存在すると信じて、祈るしかない
できるだけ、神様仏様が勘違いしないように、覚えたての英語と日本語両方で説明する
毎日やっていないと、本気だと思ってもらえないかも知れない
毎日やっていないと、届かないかもしれない
夜道、車の中、風呂、布団の中、学校、通学路、トイレ
どこでもそれは、やってくる可能性がある
やってこないことがラッキーだと思うぐらいだ
誰もが、そんなこと重く考えないのに
『これは、僕がおかしいだけですか?』
考えたくないね
考えないと怖いね
その矛盾を無視できるようになった暁には、
僕は、いつしか潜った穴の深さを思い出せないことに、苛立って自虐を隠してしまう
『死』 昼と夜と宇宙の外と @s_n_tai
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