5 外周星域
「アドラメレクは、その虹色に輝く
図19:共生
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843185987885
「当時の銀河系外周星域は自治領とされつつも、実質的には準開発途上星域でした。その広大な領域は、巨大な液化気体惑星に居住する非酸素・炭素系種族が統治していましたが、銀河系統一戦争での敗北により銀河中央から
図20:試練
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843186145122
「そこで、状況を知ったアドラメレクは科学省長官ストラスに支援を依頼し、衛星軌道配置型の恒星間駆動装置を開発しました。この装置は、必要に応じて多数を併用し、出力を増大させることにより、亜空間跳躍時の重力震を低減できる一方、攻撃に対しては
図21:才智
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843186643621
「加えて彼女は、次のような情報を星域内に知らしめ、種族間の相互理解と分権的な社会改革を進めました。すなわち、長官ベールと姉妹種族は惑星上の浮遊生物が巨大な群体を形成し、内部の生態系を維持すべく知性を得た種族なので、星域内のほとんどの種族はあたかも共生関係のように組織化され、母性的な慈愛に満ちた統治の恩恵を享受できること。しかし他方で、酸素・炭素系種族など他種族の独自的な発想や努力が、星域全体の発展をもたらす場合もあること。さらには、後者の自由を制限する外周星域の固定的な階層社会が、帝国中央による同様の参政権制限を正当化し、彼女達自身の発言力を抑えるものとなっていることです。このように率直な情報提供に基づく彼女の種族間融和政策は、非酸素系種族・酸素系種族の双方から高い信頼と支持を獲得し、星域内における文明開発は大いに進展しました」
「サタンとアスモデウスの母星が、護衛のアスタロト及び私の分離体小惑星を伴って外周星域を訪れた際、ベールはアドラメレクの助言を受け入れ、仁愛を以て副長官の盟友達を保護しました。しかし、開発計画への干渉により多数の途上種族が滅亡したことが確認され、さらには帝国派遣軍が強圧的な捜索と、非協力的種族への攻撃を開始するに及び、彼女は迷うことなく新帝国側において参戦しました。これに対して現皇帝は、外周星域への実質的な自治権の承認と、後続のストラスを通じた先進技術の提供によって報いました」
図22:盟約
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843186720871
「〝外周星域の戦い〟は、新帝国側優位のうちに推移しました。アドラメレクが開発した駆動装置により、星域内の主要惑星は安全宙域への避難に成功しました。またストラスによる防衛技術の提供と、アスモデウスによる派遣軍現地徴集部隊への説得工作の助けもあり、外周星域軍は果敢に防衛戦を展開しました。これに対して帝国派遣軍は、その活動に正当性を欠き、装備も旧式だったため、士気を失い急速に劣勢となりました。しかし、派遣軍司令官たる中枢種族ガルガリエルは、強力な可動要塞惑星と一体化し、配下種族の艦隊に母星破壊や遠隔自爆操作による脅迫を加えて動員を継続しました」
図23:襲撃
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843186911349
「双方の被害がなおも増加しつつあることを知ったサタンとアスモデウスは、自ら
図24:解放
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843186962387
「アドラメレクは精密誘導のため天体に随伴して跳躍しましたが、力場障壁はここでも十分にその機能を発揮しました。アドラメレクの母星に対し核融合点火を図った必殺の反物質化攻撃は照準を外れ、惑星全体を覆う鏡のような物理障壁の手前で無数の光の泡と化して消えました。敵惑星と直衛艦隊が暗黒天体に衝突し、吸収されて発生した莫大な電磁波と素粒子の放射は無害化されました。そして残った
図25:信任
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/822139843187585451
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