最後の日が終わらない

ロードムルタザ

第1話 最後の日の朝

私の状態は、まるで逃げ出すことすら許されない牢獄に閉じ込められているかのようだった。

意識が覚醒したその場所には、私自身と同じ姿をした死体が、血に濡れたまま地面に転がっていた。

そして影が、喉が裂けるほどの声で叫び続ける。

――まだ、罪の代価は払い終えていない。

その瞬間、私の手と鼻先から血が滴り落ちた。

それは私に思い出させるための合図だった。

おそらく、これは初めてではない。

地に伏しているそれらの身体は、私に似ているのではない。

それらはすべて、「私が死んだ回数」そのものだった。

――アラームの音。

目を覚ました私は、時計に視線を落とした。

大学へ向かう時間は、もうほとんど残されていなかった。

私の名はタイムル。

そして今日は、大学最後の日だった。

私は起き上がり、いつも通りにベッドを整え、洗面所へ向かう。

蛇口をひねり、歯を磨く。

泡を吐き出し、鏡を見たその瞬間――

背後に、夢の中で見たのと同じ「影」が立っていた。

初めてなら、恐怖で叫んでいただろう。

だが、もう何度見たか分からない。

それは何もしない。

脅すことすらなく、まるで石像のように、ただ静止している。

私はそれを無視し、大学の制服に着替え、家を出た。

鍵をかけ、大学へ向かう。

道の脇では、桜が咲き誇っていた。

それは、新しい学年が始まった証だった。

家から大学までは徒歩五分。

あまりにも近い距離だ。

普通の人間にとって、通学路とはいつも新しいものだ。

新しい車、新しい出来事、新しい風景。

だが、私の人生は停止していた。

同じ車、同じ風、同じ子どもたち。

すべてが、繰り返されている。

大学に到着すると、学生たちは皆、綺麗な服を身にまとっていた。

当然だ。今日は最後の日なのだから。

校内に入り、警備員に挨拶をする。

彼は微笑み、こう言った。

「また会えて嬉しいよ――もう一度。」

……もう一度?

一瞬、彼らもすべてを知っているのではないかと思った。

だが、その考えを振り払い、歩き出す。

そして、いつものように視線が向かう。

大学で一番高い屋上。

そこには、やはり影が立っていた。

私は苛立ちを抑えきれず、自分自身に問いかける。

――なぜ、この日は終わらないんだ。

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