灯命の天神地祇 -てんじんちぎ-
門 勇
ー記録ー
「記録」
これは、
ある時代の、ささやかな記録である。
世界が壊れた後の物語ではない。
まだ、壊れきる前の話だ。
夜は夜として巡り、
朝は朝として訪れていた。
だが、人々は気づいていなかった。
その安定が、
本来あるべき姿ではないことを。
灯が消えぬ町が生まれ、
夜が静かに伸び続ける。
それは奇跡ではなく、
均衡がどこかで歪んだ証だった。
この記録は、
その歪みの理由を探し、
正そうとした者たちの歩みを記す。
名を持たぬ旅人。
祈りを胸に秘めた者。
力に触れながら、
それを恐れた者。
そして――
自らの終わりを知りながらも、
まだ語らぬ者。
彼らは、
世界を救うために旅をしたわけではない。
ただ、
世界が“自然に巡る状態”へ戻ることを願った。
この物語は、
英雄譚ではない。
神と人、
どちらが正しかったかを裁くものでもない。
選択と、
その重さを記す記録である。
これは、
歪んだ均衡の行方を見届ける物語。
静かに始まり、
やがて――
避けられぬ答えへと至るまでの、記録だ。
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