いつか、この花が咲きますように
秋霧 翠雨
Prologue
人生で初めて、余命宣告を受けた。
まぁ、一度の人生で何度も余命宣告を受けるほうが稀であると思うが。
「はぁ...実感わかねぇな」
実際、余命宣告を受けたからと言って特段何かが変わる訳でもなく普段通りに学校に行って普段通りに下校するという日常を送っていた。
例外なく、今日もいつもの景色を見ながら学校に向かっていた。
「ねぇねぇ、そんな死んだ魚の目をしてどしたー?」
そう言いながら飛びついてくるのは腐れ縁の日向 碧海。距離感がバグっている変人
「暑いから離れろ」
「またまた~、本当は嬉しいくせにっ」
「はぁ.....」
こういう相手にはため息が一番だと誰かに教わった気がするけど多分こいつ相手には逆効果だろう。
「ちょっ、酷くない?」
「そんな反応する悪い子はもう離さないもんね」
「.....っち」
「ねぇ今舌打ちしたよね!?」
「してない」
「絶対したじゃん!! 私の地獄耳は騙せないからね!」
「うざ、」
「はぁぁぁ!? うざいって言った方がうざいんだよ!」
あれから数十分ほど抱きつかれたままだったので背中に圧迫感が残り続けている。
碧海は「女子にとって束縛は免れえない運命で、女子がこの束縛から離れようとすれば、いっそうはげしい苦しみに出会うのだよ」とルソーの名言を免罪符にして結局学校まで離してくれなかった。
これだから友人関係は面倒くさい、疲れるだけじゃないか。
そもそもとして、碧海以外に友人と呼べる友人が居ないけどな。泣きたい。
なんとなく、碧海には余命宣告されたことを黙っていおこう。
そう思った。
次の更新予定
2026年2月15日 13:00
いつか、この花が咲きますように 秋霧 翠雨 @yorug
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