第6章:衝撃の再会

土曜日の午後、一真はおしゃれを心がけ、少し緊張した面持ちで新宿駅の時計台前に立った。人混みの中、約束の時間を五分過ぎた頃、一人の女性が近づいてきた。清楚なワンピースに、上品なジャケット。少し俯き加減で、緊張しているのが伝わってくる。


その女性が顔を上げた瞬間、一真の全身の血液が凍りついた。


「…マ、マ…マサ…?」


声が出ない。目の前に立っているのは、紛れもなく、毎日家で顔を合わせている母、良枝だった。


良枝もまた、一真を見て、顔面が蒼白になった。彼女の口がわずかに開き、震えが全身を走る。


「一…真…?」


時計台の周りの喧騒が、一瞬で遠のいた。世界が歪むような、信じがたい現実。プリウス=一真。ベル=良枝。二人は言葉を失い、ただただ見つめ合うしかなかった。良枝の目には、恐怖と羞恥と混乱の色が渦巻いていた。これは、息子との…実質的な不倫の約束の場に来てしまったのだ。

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