学園の王子様が無自覚でハートを奪ってしまう話
羽間慧
学園の王子様が無自覚でハートを奪ってしまう話
クラスメイト達と何気ない話をしていたとき、ある子が芝居がかったセリフを言った。
「王子町くん。あなたはどうして王子様なの?」
「王子様らしく見えているのは嬉しいけれど。そこまで言いきられてしまうと恐縮だよ。僕は王子様だったんだね?」
おどけた僕に、クラスメイト達はまくしたてる。
「転びそうになったときに、そっと手を差し出してくれましたわ」
「駅の階段を上っていた際、わたくしの前を歩いていらした方が傘を水平に持っておりまして。傘の尖っている部分がわたくしの顔に当たりそうかと思えたそのとき。王子町くんが手で傘を止めてくださったのです!」
「授業中に眠ってしまったわたくしの体を、椅子から落ちないようにそっと両手で支えてくださったこともありましたわ!」
「先生に気づかれなくてよかったですわね。王子町くんが叱られてしまうところでしたわ」
盛り上がる中、姫川が僕の手を取る。
「罪な方ですわね、女子校の王子様は。本日の主役を差し置いて、クラスの話題を集めるなど」
からかうように微笑む姫川の手の甲に、口づけを一つ落とす。
「僕があげたリップクリームを早速使ってくれたんだね。とてもよく似合っているよ、お姫様」
「まあ~~~!」
黄色い声を上げるクラスメイト達と一緒に、姫川は熱を帯びた頬を両手で被ってしまった。十八歳になって、ますます可愛らしい。
学園の王子様が無自覚でハートを奪ってしまう話 羽間慧 @hazamakei
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