落ち葉のような恋

じょじゅつし

第1話


僕は君を愛していた。

 君が僕の全てだった。

 君はもうこの世にはいない。

 僕は君を2度殺した。


 雨音だけが強く響く閑静な住宅街の道路、腕の中には頭を血で赤く染めた女性がいた。僕はただ彼女を腕に抱いたまま、水に浸した絵の具のように雨で薄まる鮮やかな赤を眺めていた。


 瞼を開くと涙で歪む視界にはよくドラマで見た病室の風景が広がっていた。

「晴人君!」

 叫びに近い女性の声が耳に響き、思わず声のした方に視線をやった。

 そこにはショートカットで、自分と同じ20代前半くらいの猫のような丸い顔をした見知らぬ女性が目を充血させながら病室のドアの前で僕を見ていた。

 彼女はドアを開けたまま僕のベッドの左側に走り寄って、舌を噛みそうなほどの早口で問いかける。

「大丈夫?痛くない?1週間も目を覚まさなかったんだよ!」

 一週間……。

 僕は何と答えればいいのかわからず当惑していると、「先生呼んでくるね」

 そう言い残して彼女は病室を飛び出して行った。

 僕はほのかにアルコールが漂う静かな病室に居心地悪さを感じながら窓の外で僅かに風で揺れる紅葉した楓の木を眺めていた。

 

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落ち葉のような恋 じょじゅつし @05_ky

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